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VYMにはどのような弱点がありますか?

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2025/06/26 11:59


男性

40代

question

米国株の高配当ETFへの投資を始めたい初心者です。VYMは安定感が魅力と聞きますが、他ETFより劣る面もあると不安です。利回りの水準や増配力、セクター偏りなど、購入前に押さえるべき弱点はどこにあるのでしょうか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

VYMは高配当ETFの中でも安定性や分散性で定評がありますが、購入前に理解しておくべき弱点もいくつか存在します。主な注意点は以下の6点です。

1つ目は配当利回りの水準です。VYMの実績利回りはおおむね2.6〜3%程度で、同じ高配当ETFであるSPYD(約4〜5%)やHDV(3.5%超)と比べると控えめです。インカム重視の投資家にはやや物足りなく映るかもしれません。

2つ目は増配力の限界です。VYMの増配率は年5〜6%と安定的ではあるものの、SCHDやVIGといった増配重視型ETFが年10%前後の増配を記録しているのと比べると、成長性ではやや見劣りします。

3つ目はセクターの偏りです。ポートフォリオの大部分が金融、ヘルスケア、生活必需品に集中しており、中でも金融セクターの比率は20%超。これは、金融危機や金利変動局面における下落リスクや減配リスクの高まりにつながります。

4つ目は構成比率の偏重です。VYMは時価総額加重型で運用されており、上位20銘柄で全体の4割以上を占めます。銘柄数が多い一方で、実質的な分散効果は限定的な面もあります。

5つ目は通貨と税のリスクです。米国株100%・ドル建てのため、円高になると元本や分配金が目減りします。また、NISA口座を使っても米国側の源泉税(約10%)が控除され、完全非課税にはなりません。

6つ目は相対的なコスト感です。経費率0.06%は十分に低水準ですが、VOO(S&P500連動ETF)のように年0.03%台の超低コスト商品と比べると、わずかな差ながらコスト負担が積み重なります。

こうした弱点を補いたい場合は、利回りを重視してSPYDやHDVを組み合わせる、増配力を期待してSCHDを加える、円建て債券や為替ヘッジ付きの投資信託で通貨リスクを軽減する、分配金を自動再投資して長期的な複利効果を高めるといった対策が有効です。

VYMは万能ではないものの、特性を理解して目的に応じたETFと組み合わせれば、初心者でも安定的なインカムと資産成長の両立を図ることができます。

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配当利回り

配当利回りは、株式を1株保有したときに1年間で受け取れる配当金が株価の何%に当たるかを示す指標です。計算式は「年間配当金÷株価×100」で、株価1,000円・配当40円なら4%になります。 指標には、実際に支払われた金額で計算する実績利回りと、会社予想やアナリスト予想を用いる予想利回りの2種類があります。株価が下がれば利回りは見かけ上上昇するため、高利回りが必ずしも割安や安全を意味するわけではありません。 安定配当の見極めには、配当性向が30~50%程度であること、フリーキャッシュフローに余裕があることが重要です。また、権利付き最終日の翌営業日には理論上配当金相当分だけ株価が下がる「配当落ち」が起こります。 日本株の配当は通常20.315%課税されますが、新NISA口座内で受け取る配当は非課税です。配当利回りは預金金利や債券利回りと比較でき、インカム収益を重視する長期投資家が銘柄や高配当ETFを選ぶ際の判断材料となります。

セクター分散

セクター分散とは、資産運用において特定の業種や産業(セクター)に偏らず、複数の分野にわたって投資先を分けることで、リスクを軽減する投資手法のことです。たとえば、情報技術、医療、金融、消費財といった異なるセクターに株式を分散させることで、ある業種に不測の事態が起きた場合でも、他のセクターで損失をカバーできる可能性があります。 これは、値動きの傾向が異なる業種を組み合わせることで、全体のポートフォリオの安定性を高めるための戦略です。資産運用の基本である「分散投資」の中でも、地域や資産クラスの分散と並んで重要な考え方の一つです。特に株式投資においては、セクターごとの経済環境の影響が大きいため、この分散の工夫が成果に直結します。

増配率

増配率とは、企業が株主に支払う配当金をどのくらいの割合で増やしているかを示す指標で、前年と比較して配当金がどれだけ増えたかをパーセンテージで表します。 たとえば、昨年の配当が1株あたり100円で、今年が120円なら、増配率は20%になります。安定して高い増配率を維持している企業は、収益力が高く、株主還元に積極的であると評価されることが多く、投資家にとっては長期的な資産形成における安心材料になります。 将来の配当収入の成長を期待する場合、増配率の推移は重要な判断材料の一つです。

時価総額加重型

時価総額加重型とは、株価指数や投資信託などの運用で用いられる算出方式の一つで、**構成銘柄の時価総額(株価 × 発行済株式数)に応じて比率(ウエイト)を決める方法**です。つまり、企業の規模が大きいほど、その銘柄が指数やファンド全体に与える影響も大きくなります。 たとえば、時価総額加重型の株価指数では、アップルやマイクロソフトのような巨大企業の動きが、指数全体の変動に大きく影響を与えます。逆に、時価総額の小さい企業は指数への影響が小さくなります。 この方式は、市場全体の動きを自然に反映しやすく、売買や構成比の調整がシンプルで効率的であることから、S&P500やCRSP USトータル・マーケット・インデックスなど、多くの代表的なインデックスで採用されています。 一方で、時価総額が大きい銘柄に偏りやすくなるため、特定の業種や企業に依存した構成になることもあり、分散効果がやや限定的になるケースもあります。資産運用においては、この構造を理解しておくことで、ポートフォリオ全体のバランスやリスクをより適切に把握することができます。

為替リスク

為替リスクとは、異なる通貨間での為替レートの変動により、外貨建て資産の価値が変動し、損失が生じる可能性のあるリスクを指します。 たとえば、日本円で生活している投資家が米ドル建ての株式や債券に投資した場合、最終的なリターンは円とドルの為替レートに大きく左右されます。仮に投資先の価格が変わらなくても、円高が進むと、日本円に換算した際の資産価値が目減りしてしまうことがあります。反対に、円安が進めば、為替差益によって収益が増える場合もあります。 為替リスクは、外国株式、外貨建て債券、海外不動産、グローバルファンドなど、外貨に関わるすべての資産に存在する基本的なリスクです。 対策としては、為替ヘッジ付きの商品を選ぶ、複数の通貨や地域に分散して投資する、長期的な視点で資産を保有するなどの方法があります。海外資産に投資する際は、リターンだけでなく、為替リスクの存在も十分に理解しておくことが大切です。

経費率

経費率(Expense Ratio)は、投資信託やETF(上場投資信託)などの運用にかかる年間コストを、運用資産総額に対する割合で示した指標です。投資家はこの経費率を負担するため、経費率が低いほど投資のコストが抑えられ、リターンが高まりやすくなります。 例えば、あるETFの経費率が0.2%の場合、年間で運用資産の0.2%が管理費用などに充てられます。経費率には、ファンドの管理費用、売買手数料、監査費用などが含まれます。 一般的に、インデックス型ETFは経費率が低く(0.1%~0.5%程度)、アクティブ運用のファンドは高くなる(1%~2%程度)傾向があります。経費率が高すぎると、長期的に資産が目減りする可能性があるため、投資先を選ぶ際は経費率の低い商品を選ぶことが重要です。

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