ハイリスク・ハイリターンとローリスク・ローリターンの意味は?
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2025/06/10 12:31
男性
40代
投資説明で頻繁に聞く「ハイリスク・ハイリターン」と「ローリスク・ローリターン」は具体的にどの程度の値動きや利回りを示し、代表的な資産はどこに位置付けられるのでしょうか。また、両者の関係を理解することで資産配分やリスク管理はどう変わるのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
リスクとは収益が予想から上下にどれだけ振れるかを示す数値的な「不確実性」です。市場では不確実性が高いほど投資家が求める報酬も大きくなるため、値動きの大きい株式や暗号資産はハイリスク・ハイリターンに分類され、年単位で二桁以上の上昇も下落も起こり得ます。反対に、預貯金や日本国債は価格変動がほぼなく金利も年数%未満にとどまり、ローリスク・ローリターンです。
「ローリスク・ハイリターン」は基本的に存在せず、提示された場合は仕組みの複雑さや信用リスク、流動性を必ず確認してください。投資計画ではまず目標利回りと許容下落率を具体的な数値で把握し、複数資産への分散と投資期間の分散を組み合わせることで、自身に適したリスク・リターンのバランスを構築できます。
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リスク
リスクとは、資産運用において、期待している結果とは異なる結果が生じる可能性のことを指します。具体的には、投資による損失が発生するかもしれない不確実性を意味しますが、必ずしも悪い結果だけを指すわけではなく、期待以上の利益が出る可能性もリスクの一部とされます。リスクには、株価の変動、金利の変動、為替レートの変動などさまざまな種類があり、それぞれに応じた対策が求められます。資産運用を行う上では、自分がどの程度のリスクを受け入れられるかを理解し、それに応じた投資戦略を立てることが非常に重要です。
リターン
リターンとは、投資によって得られる利益や収益のことを指します。たとえば、株式を購入して値上がりした場合の売却益(キャピタルゲイン)や、債券の利息、投資信託の分配金(インカムゲイン)などがリターンにあたります。 これらを合計したものは「トータルリターン」と呼ばれ、投資の成果を総合的に示す指標です。リターンは、元本に対してどれだけ増えたかを「%(パーセント)」で表し、特に長期投資では「年率リターン」で比較されることが一般的です。 リターンが高いほど投資先として魅力的に感じられますが、そのぶんリスク(価格変動の可能性)も高くなる傾向があるため、自分の目的やリスク許容度に応じて、適切なリターンを見込むことが大切です。
ボラティリティ
ボラティリティは、投資商品の価格変動の幅を示す重要な指標であり、投資におけるリスクの大きさを測る目安として使われています。一般的に、値動きが大きい商品ほどそのリスクも高くなります。 具体的には、ボラティリティが大きい商品は価格変動が激しく、逆にボラティリティが小さい商品は価格変動が穏やかであることを示します。現代ポートフォリオ理論などでは、このボラティリティを標準偏差という統計的手法で数値化し、それを商品のリスク度合いとして評価するのが一般的です。このため、投資判断においては、ボラティリティの大きい商品は高リスク、小さい商品は低リスクと判断されます。
利回り
利回りとは、投資で得られた収益を投下元本に対する割合で示し、異なる商品や期間を比較するときの共通尺度になります。 計算式は「(期末評価額+分配金等-期首元本)÷期首元本」で、原則として年率に換算して示します。この“年率”をどの期間で切り取るかによって、利回りは年間リターンとトータルリターンの二つに大別されます。 年間リターンは「ある1年間だけの利回り」を示す瞬間値で、直近の運用成績や市場の勢いを把握するのに適しています。トータルリターンは「保有開始から売却・償還までの累積リターン」を示し、長期投資の成果を測る指標です。保有期間が異なる商品どうしを比べるときは、トータルリターンを年平均成長率(CAGR)に換算して年率をそろすことで、複利効果を含めた公平な比較ができます。 債券なら市場価格を反映した現在利回りや償還までの総収益を年率化した最終利回り(YTM)、株式なら株価に対する年間配当の割合である配当利回り、不動産投資なら純賃料収入を物件価格で割ったネット利回りと、対象資産ごとに計算対象は変わります。 また、名目利回りだけでは購買力の変化や税・手数料の影響を見落としやすいため、インフレ調整後や税控除後のネット利回りも確認することが重要です。複利運用では得た収益を再投資することでリターンが雪だるま式に増えますから、年間リターンとトータルリターンを意識しながら、複利効果・インフレ・コストを総合的に考慮すると、より適切なリスクとリターンのバランスを見極められます。
元本保証
元本保証とは、投資や預金において、満期まで保有すれば最低でも投資した元本が保証される仕組みを指します。銀行預金や一部の保険商品などが該当し、元本が減るリスクを抑えられるため、安全性を重視する人に向いています。しかし、元本保証がある商品は一般的に利回りが低く、インフレによる実質的な購買力の低下を考慮する必要があります。
分散投資
分散投資とは、資産を安全に増やすための代表的な方法で、株式や債券、不動産、コモディティ(原油や金など)、さらには地域や業種など、複数の異なる投資先に資金を分けて投資する戦略です。 例えば、特定の国の株式市場が大きく下落した場合でも、債券や他の地域の資産が値上がりする可能性があれば、全体としての損失を軽減できます。このように、資金を一カ所に集中させるよりも値動きの影響が分散されるため、長期的にはより安定したリターンが期待できます。 ただし、あらゆるリスクが消えるわけではなく、世界全体の経済状況が悪化すれば同時に下落するケースもあるため、投資を行う際は目標や投資期間、リスク許容度を考慮したうえで、計画的に実行することが大切です。