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グロース株を見つけるための四季報の読み方を教えて下さい

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2025/06/24 12:08


男性

30代

question

株式投資をするなら、四季報を参考にグロース株を見つけるのがいい、と教わりました。そこで、四季報を読んで見ようと思うのですが、具体的に四季報をどのように活用するとグロース株は発掘できますか?ご教示いただけると幸いです。


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

四季報でグロース株を発掘する際は、次の五段階を順番に確認すると「数字」と「成長ストーリー」を一体で評価できます。

① 事業内容と競争優位をつかむ

まず「特色」「連結事業」欄を読み、ビジネスモデルや市場シェア、独自技術の有無を把握します。「国内トップ」「サブスク比率〇%」といった記述は参入障壁の高さを示し、長期成長の土台になります。

② 成長ドライバーと経営モメンタムを確認する

続いて「業績記事」「材料記事」欄で新製品投入・M&A・海外展開などのトピックスを探り、「最高益更新」「上振れ」といった見出しが続く企業に注目します。需要拡大と経営陣の実行力がかみ合えば、成長の加速局面にあると判断できます。

③ 増収増益トレンドを定量で検証する

「業績」欄では売上高と営業利益の3期推移を確認し、売上高CAGR15〜20%以上、営業利益伸び率10%以上を目安に選別します。併せて営業利益率が改善していれば、規模拡大だけでなく付加価値向上による成長と読み取れます。

④ 財務健全性と投資余力を点検する

「財務」欄で自己資本比率50%以上、営業キャッシュフロー黒字、ネットキャッシュ体質を確認します。財務が健全で本業から潤沢なキャッシュが生まれていれば、成長投資や研究開発を継続できる余力が大きいと評価できます。

⑤ 株価トレンドと市場評価を読み解く

最後に月足チャートで中長期の株価トレンドを把握し、PERやPSRが業界平均と比べて過度に割高でないかを検証します。ここで注意点としては、高PERだからという理由だけで割高と断定せず、アドレス可能市場(TAM)や競合動向が将来の利益成長を支えられるか、IR資料や決算説明で裏付けを取る必要があることです。また、公募増資やストックオプション行使による希薄化リスク、グロース株特有のボラティリティにも目を配り、ポートフォリオ全体で分散しつつ投資期間とポジションサイズを慎重に設計してください。

四季報は強力な羅針盤ですが掲載情報は断片的です。「この企業はなぜ伸びるのか、成長はどこまで続くのか」を自分の言葉で説明できるまで、決算短信や競合比較、業界レポートなどを用いて仮説を磨き上げることが、高いリターンとリスク管理を両立させる最短ルートとなります。

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グロース株

グロース株とは、今後の売上や利益の大幅な成長が期待されている企業の株式のことを指します。現在の収益や配当よりも、将来の事業拡大や技術革新による企業価値の上昇に注目して投資されるため、株価はその成長期待を反映して割高になる傾向があります。代表的な業種にはIT、バイオテクノロジー、新エネルギーなど革新的な分野が多く、上場直後のベンチャー企業や赤字ながらも将来性が評価されている企業も含まれます。一方で、実際の業績が期待に届かない場合には、株価が急落するリスクも高いため、投資判断には成長性だけでなく事業の持続可能性や市場環境の見極めも重要です。長期的な視点でのリターンを重視する投資スタイルとの相性がよいとされています。

会社四季報

会社四季報とは、日本の全上場企業約4,000社の株価や業績に関する情報を1冊にまとめたデータ本で、東洋経済新報社発刊です。「四季報」という言葉の通り、毎年3、6、9、12月と年に4回発売されています。国内の全上場企業の情報が1冊でコンパクトにまとまっている出版物は海外ではあまり見られず、日本特有のものとして評価されています。

連結事業

連結事業とは、親会社が子会社などの関係会社をまとめて一つのグループとして経営状況を報告する際に使われる考え方です。単独の会社だけでなく、グループ全体の売上や利益、事業内容などを合わせて示すことで、企業全体の本当の経営状態を正確に伝えようとするものです。たとえば、親会社が製造業を行い、子会社が販売や物流を担当している場合、それぞれの業績を個別に見るのではなく、まとめて一つの事業体として評価します。投資をする際には、この連結事業の情報を見ることで、企業の総合力や将来性をより正しく判断することができます。

CAGR(年平均成長率)

CAGRとは、ある期間において投資や売上高などが毎年一定の割合で成長したと仮定した場合の年平均成長率を表す指標です。実際の成長は年ごとにばらつきがあったとしても、CAGRを使うことで「もし毎年同じペースで伸びたとしたらどれくらい成長しているか」をシンプルに理解することができます。たとえば、5年間で資産が2倍になった場合、その間のCAGRを知ることで、毎年どれくらいの割合で増えたかを簡単に比較できるのです。長期的な成長力を評価するために、投資対象を選ぶ際に非常に役立つ指標です。

PER(株価収益率)

PER(株価収益率)は、企業の株価がその企業の利益と比較して割安か割高かを判断するための指標です。計算方法は「株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)」で求められ、数値が低いほど利益に対して株価が割安であることを示します。ただし、業界ごとの平均PERが異なるため、他の企業や市場全体と比較して判断することが重要です。PERが高い場合は将来の成長期待が大きいと解釈されることもありますが、過大評価されている可能性もあるため注意が必要です。

PSR(株価売上高倍率)

PSRとは、企業の時価総額を年間売上高で割って求める指標で、株価が売上高に対して割高か割安かを判断するために使われます。特に利益がまだ安定していない成長企業やスタートアップ企業などを評価する際に重視されることが多いです。通常の株価指標であるPER(株価収益率)では利益が基準になりますが、PSRは売上高を基準にしているため、まだ黒字化していない企業でも比較がしやすいという特徴があります。投資初心者にとっては、企業の将来性や市場での期待値を測る参考指標として覚えておくと便利です。

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