専門用語解説
ブラックスワン
ブラックスワンとは、事前には予測が非常に難しく、発生すると社会や経済に甚大な影響を与える突発的な出来事のことを指します。この概念は、元ウォール街のトレーダーで哲学者でもあるナシーム・ニコラス・タレブ氏が著書『ブラック・スワン』で提唱し、広く知られるようになりました。
名前の由来は、かつて白い鳥だと思われていた白鳥の中に、黒い白鳥(ブラックスワン)が発見されたことから、「あり得ないと思われていたことが実際に起きる」ことを象徴しています。金融市場では、リーマン・ショックや新型コロナウイルスの世界的流行などが代表的なブラックスワン事象とされ、これらは事前の予測やリスク管理が困難であったにもかかわらず、市場や社会に多大な影響を及ぼしました。資産運用においては、こうした予測不能なリスクも考慮しておく必要があり、「想定外」に備える姿勢が求められることをこの言葉は教えてくれます。