バケツ方式
専門用語解説
バケツ方式
バケツ方式とは、退職後や資産を取り崩す段階でよく用いられる運用方法の一つで、保有する資産を用途や期間ごとに「複数のバケツ(桶)」に分けて管理する考え方です。資産をまとめて一括管理するのではなく、使う時期に応じて区分することで、相場変動に強く、安定的に資産を取り崩せるのが特徴です。
基本形は「短期」「中期」「長期」の3つに分ける方法です。短期バケツには2〜3年分の生活費を現金や短期債で確保し、急な下落相場でも安心して生活費をまかなえるようにします。中期バケツには、数年から10年程度先に使う予定の資金として、個人向け国債や社債、安定的な投資信託などを組み入れ、必要に応じて短期バケツへ補充します。長期バケツには、時間を味方につけて成長を狙う資産として、株式やREIT、低コストのインデックス投信などを配置します。
この方法のメリットは、生活費を担う短期資金を安全資産でしっかり確保しているため、市場が下落しても長期資産を慌てて売却する必要がない点にあります。精神的な安心感を得ながら、長期的な成長も取り込みやすくなるため、退職後の資産管理に有効とされています。
一方で、バケツをどう分けるか、どのタイミングで補充するかといったルールを明確に決めておかないと効果が薄れてしまう可能性があります。そのため、「年3〜4%を上限に取り崩す」「短期バケツを数年ごとに点検する」といった仕組みをあらかじめ設けると、より安定的な運用につながります。
バケツ方式は、資産全体を守りながら必要な収入を確保し、同時に成長も取り込むことができるシンプルかつ実践的な手法であり、退職金や年金と組み合わせて生活設計を考えるうえで有効な考え方です。