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CDO(collateralized-debt-obligation)

CDO(Collateralized Debt Obligation/債務担保証券)は、企業融資や住宅ローン、クレジットカード債権などをまとめて特別目的会社(SPC)に移し、その返済・利息のキャッシュフローを裏付けに発行される証券です。SPCは集めた債権を資産プールに仕立て、損失を吸収する順番の違いによってシニア、メザニン、エクイティという三つの層(トランシェ)に切り分けます。借り手から返済されたお金は「ウォーターフォール」と呼ばれる優先順位に沿って上位のトランシェから順に配分されるため、シニア層は相対的に安全性が高く利回りは低め、最終的に残余分を受け取るエクイティ層は利回りこそ魅力的でも最初に損失を被る仕組みになっています。

CDOには現物債権を保有する従来型のほか、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)で債務不履行リスクだけを取り込む合成型、企業ローンを束ねたCLO(ローン担保証券)など多様な派生商品があります。最大の利点は、少額で幅広い債権に分散投資しながら希望するリスク‐リターン水準を選択できる点にありますが、その複雑な構造ゆえに潜在的な危険も抱えます。たとえば資産プール内の債務者同士が思いのほか同時に返済不能に陥ると、理論上は守られるはずだった上位トランシェにも損失が及ぶ可能性がありますし、評価モデルの仮定が楽観的であれば格付けが実態より高く見積もられることもあります。さらに市場が混乱すると買い手がつきにくく、帳簿価格と実勢価格の乖離が急拡大する流動性リスクも見逃せません。

2000年代半ばには、質の低いサブプライム住宅ローンを組み込んだCDOが急増し、想定を超える延滞によって下位層だけでは損失を吸収しきれず、シニア層までも価値が毀損しました。これがリーマン・ショックの震源の一つとなった歴史を踏まえ、米国ではドッド=フランク法などで発行体が自己資金を一定割合保有するリスク・リテンション規則や詳細な情報開示が義務づけられていますが、モデル依存や流動性の脆弱性はなお完全には解消していません。

CDOに興味を持つ投資家は、まずトランシェの優先順位と利回りの関係を理解し、原資産の質や分散度合いを確認したうえで、自身のリスク許容度と投資期間に照らして組み入れの是非を判断する必要があります。その際、格付けや目先の利回りに頼り切らず、ストレステスト結果や流通量、規制環境まで多面的にチェックする姿勢が欠かせません。高度な金融工学が支える商品である一方、その複雑さこそがリターンの源泉でもリスクの温床でもある――この両面を冷静に捉えることが、CDOを活用するうえでの出発点となります。

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