完成検査
専門用語解説
完成検査
完成検査とは、建築工事が完了した段階で、建物や工事内容が所定の基準や契約内容に適合しているかを確認するために行われる検査を指す用語です。
この用語は、住宅や建物の引渡しを前にして、「完成したとみなせる状態かどうか」を判断する文脈で登場します。完成検査は、工事が終わったという事実確認ではなく、設計内容や法令、契約上の取り決めに照らして、出来上がりが適切かを確認するための手続きとして位置づけられます。引渡しや使用開始の前提条件となることが多く、工程上の節目として重要な意味を持ちます。
完成検査が混同されやすいのは、「見た目を確認する内覧」と同一視されがちな点です。確かに外観や仕上がりの確認は含まれますが、完成検査の本質は、外から分かりにくい部分も含めて、基準への適合性を確認する点にあります。表面的に問題がなさそうに見えても、基準とのズレがあれば是正の対象となるため、単なる確認作業ではありません。
よくある誤解として、完成検査は形式的な手続きで、結果は最初から決まっているという認識があります。しかし実際には、完成検査によって不備や未了箇所が明らかになり、是正や手直しが求められることもあります。この点を理解していないと、検査後の対応や引渡し時期について認識のズレが生じやすくなります。
また、完成検査は一つの主体だけが行うものではありません。工事を行った側、発注者側、あるいは制度上求められる第三者など、立場の異なる視点から確認が行われることがあります。それぞれの検査は目的や基準が異なるため、「どの完成検査を指しているのか」を文脈に応じて整理する必要があります。
完成検査という用語を正しく理解することは、建物の完成を「工事が終わった状態」ではなく、「基準を満たした状態」として捉える視点を持つことにつながります。引渡しや使用開始の前提となる重要な確認プロセスを示す概念として位置づけられます。