受贈益
専門用語解説
受贈益
受贈益とは、無償または著しく低い対価で資産や利益を受け取った結果として生じる経済的な利益を指します。
この用語は、企業会計や税務の文脈で、取引として対価の支払いがない、または実態として負担が伴っていないにもかかわらず、経済的価値が移転した場面を整理するために使われます。たとえば、金銭や資産の贈与、債務の免除、第三者による費用負担など、「収益として計上されうるかどうか」を検討する局面で登場します。売上のような営業活動の結果ではなく、外部からの価値移転をどう扱うかという点が、この用語の中心的な論点です。
誤解されやすい点として、受贈益が「現金でもらった場合だけに発生する利益」や「特別なケースに限られる一時的な利益」と理解されることがあります。しかし、受贈益は必ずしも現金に限られず、資産の取得や負担の免除といった形でも生じます。また、名称に「益」とあるものの、事業活動の成果を示す利益とは性質が異なり、継続的な収益力を表すものでもありません。この違いを意識せずに業績評価に含めてしまうと、実態を誤って読み取る原因になります。
さらに、「贈与だから税金はかからない」「好意でもらったものなので利益ではない」といった理解も注意が必要です。会計や税務の世界では、当事者の意図や感情とは切り離して、経済的な価値の移転があったかどうかで判断されます。そのため、受け取った側にとっては、取引性がなくても収益として扱われる場面が生じます。言葉の印象だけで非課税・非収益と決めつけると、制度上の位置づけを誤る可能性があります。
受贈益を理解するうえで重要なのは、「対価を払っていないにもかかわらず、経済的に得をしている状態」をどう整理するかという視点です。この用語は、もうけを強調するための言葉ではなく、取引以外の要因で発生した利益を切り分けるための概念です。受贈益は、収益の質や発生原因を見極めるための補助線として、会計・税務判断の前提となる用語だと位置づけるべきものです。