ロングファーストクーポン
専門用語解説
ロングファーストクーポン
ロングファーストクーポンとは、債券の初回利払い期間が通常より長く設定され、その分だけ初回の利息額が大きくなる仕組みを指します。利回りを高く見せるためのものではなく、発行日と定められた利払日がずれる場合に、その調整として用いられる技術的な構造です。
債券には「年2回」「年4回」など決まった利払日がありますが、新規発行日は必ずしもその日付に合わせられません。そのため、次の利払日までの期間が通常より長くなり、結果として初回利息が多く支払われます。2回目以降は通常通りの利払いサイクルに戻るため、特殊なのは最初の一度だけです。
初回利息が大きく見える理由は、利息が長い期間で計算されるためです。しかし、投資家が得る実質利回りが改善するわけではなく、市場価格はすでにこの構造を織り込んで調整されています。つまり、利息が増えるのではなく、利息を受け取るタイミングが変わっているだけです。
投資家にとっては、初回にまとまった利息を受け取れる一方、課税対象額が大きくなることで税負担のタイミングが早まる場合があります。外貨建て債券では、初回利息を受け取る時点の為替レートによって実質収益が左右される点も注意が必要です。
ロングファーストクーポンはお得な仕組みではなく、利払いスケジュールの調整手段にすぎません。購入時には、目論見書に記載された利払いスケジュールや利息の算定方法を確認し、初回利息の見た目に惑わされず、債券の本質的な価値や最終利回りを理解したうえで判断することが重要です。