専門用語解説
逸失利益
逸失利益とは、本来であれば将来得られるはずだった利益が、事故や契約違反、災害などの予期せぬ事象によって得られなくなった場合に、失われたとみなされる利益のことをいいます。これは実際に「支出」された損失ではなく、「機会を失ったことによる損失」であるため、「機会損失」とも密接に関連しています。
たとえば、交通事故によって働けなくなった場合に、将来得られたはずの給与収入を逸失利益として請求するケースや、契約の履行がなされなかったことで事業利益が得られなかったときに企業が請求するケースなどがあります。
逸失利益は民事賠償請求や訴訟の場でしばしば争点となり、損害賠償額を算出する際の重要な構成要素となります。その評価には、過去の実績、将来の収益見通し、就労能力、年齢など多くの要素が考慮されるため、専門的な判断が必要とされる分野でもあります。資産運用や保険においても、逸失利益の概念はリスク管理や補償設計に活用されることがあります。