機会費用
専門用語解説
機会費用
機会費用とは、ある選択をした結果として、選ばなかった他の選択肢から得られたはずの価値を指します。
この用語は、投資判断や消費行動、時間の使い方など、複数の選択肢の中から一つを選ぶ場面で登場します。資金や時間、労力といった限られた資源は同時に複数の用途に使うことができないため、何かを選ぶという行為は、必ず別の可能性を手放すことを意味します。機会費用は、その「見えない失われた価値」を整理するための考え方として使われます。
誤解されやすい点として、機会費用が「実際に支払ったお金」や「帳簿に記録される費用」と混同されることがあります。しかし、機会費用は支出や損失を示す会計用語ではなく、選択の結果として生じる比較概念です。現金の支払いがなくても、選択によって他の可能性を捨てていれば、そこには機会費用が存在します。この点を理解しないと、判断を金銭的コストだけで評価してしまいがちです。
また、「結果が良ければ機会費用は問題にならない」という捉え方も注意が必要です。機会費用は結果論ではなく、選択時点で存在していた代替案との比較によって成立します。実際の結果がどうであったかにかかわらず、どの選択肢を放棄したのかを意識しなければ、判断の質を検証することはできません。
機会費用を理解するうえで重要なのは、「何を得たか」と同時に「何を捨てたか」を常に意識することです。この用語は、後悔を生むための概念ではなく、選択の前提条件を可視化するための思考道具です。投資や生活上の判断において、機会費用を考慮することは、限られた資源をどこに配分するかを冷静に見極めるための基礎となります。