親子リレーローン
専門用語解説
親子リレーローン
親子リレーローンとは、住宅ローンの返済を親子二世代で引き継ぐことを前提に組成される融資の仕組みです。
この用語は、住宅取得を検討する際に、借入可能額や返済期間の制約をどう設計するかという判断の文脈で登場します。とくに、購入者本人の年齢や収入だけでは長期返済が難しい場合に、将来返済を担う予定の子を組み込むことで、制度上の返済期間や審査の枠を広げる考え方として使われます。住宅ローンという個別商品を指すというより、「返済主体を時間軸で分けて考える」という発想を表す用語として理解することが重要です。
誤解されやすい点は、親子リレーローンを「親と子が同時に返済するローン」や「親の借金を子が自動的に相続する仕組み」と捉えてしまうことです。実際には、返済の主体は段階的に移行する設計であり、同時返済や無条件の引き継ぎを意味する言葉ではありません。この違いを曖昧にしたまま理解すると、返済責任の所在や将来の負担を過小・過大に見積もってしまう判断ミスにつながります。
また、「子どもがいるなら将来何とかなる」という発想で安易に利用できる仕組みだと考えるのも危険です。親子リレーローンは、将来の返済を前提条件として組み込むため、家族構成や人生設計の変化がそのままリスク要因になります。制度上は成立していても、将来の収入状況や居住形態が変われば、想定どおりに機能しない可能性がある点を見落としてはいけません。
親子リレーローンは、住宅取得を可能にする魔法の仕組みではなく、「返済期間と返済主体をどう分配するか」という制度的な設計手法を示す用語です。この言葉に接したときは、金利や借入額だけでなく、返済責任がどの時点で誰にあるのかという構造そのものを整理する視点が、判断の出発点になります。