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年金所得

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年金所得

読み:ねんきんしょとく

年金所得とは、公的年金や企業年金などの年金収入から、税法で定められた年金専用の控除を差し引いた後に算出され、所得税・住民税の計算の基礎となる所得区分を指します。

この用語が登場するのは、公的年金を受給し始めた後に確定申告や住民税申告が必要かどうかを判断する場面や、老後の税負担を見積もる文脈です。とくに、「年金はいくらまでなら申告が不要か」「他の所得と合算するとどう扱われるか」を整理する際に使われます。

年金所得について誤解されやすいのは、「受け取った年金額そのものが年金所得になる」「年金は収入であって所得ではない」といった捉え方です。実際には、税金の計算ではまず年金としての収入額を把握し、そこから年金専用の控除を差し引いた金額が年金所得となります。この区別を理解していないと、課税の有無や税額の見込みを誤りやすくなります。

また、年金所得は給与所得など他の所得と合算して課税関係を判断する点も見落とされがちです。年金だけで生活している場合と、年金に加えて給与や不動産収入がある場合とでは、税務上の扱いが異なることがあります。

たとえば、年金を受け取り始めた人が「年金収入があるから申告が必要だろう」と考えていたものの、年金収入から控除を差し引いた結果、年金所得が一定額以下となり、実際には申告が不要だったというケースがあります。このような判断の違いは、収入と所得を混同していることから生じやすいものです。

年金所得という言葉を見たときは、まず年金収入と年金所得が税務上どのように区別されているかを確認し、控除後の所得額がいくらになるのかを整理することが重要です。申告の要否や具体的な税額は、受給額や他の所得状況によって異なるため、詳細な判断は確定申告や関連記事で確認する必要があります。

関連する専門用語

公的年金

公的年金には「国民年金」と「厚生年金」の2種類があり、高齢者や障害者、遺族が生活を支えるための制度です。この制度は、現役で働く人たちが納めた保険料をもとに、年金受給者に支給する「世代間扶養」の仕組みで成り立っています。 国民年金は、日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入する制度です。保険料を一定期間(原則10年以上)納めると、65歳から老齢基礎年金を受け取ることができます。また、障害を負った場合や生計を支える人が亡くなった場合には、障害基礎年金や遺族基礎年金を受け取ることができます。 厚生年金は、会社員や公務員が対象の制度で、国民年金に追加で加入する形になります。保険料は給与に応じて決まり、支払った分に応じて将来の年金額も増えます。そのため、厚生年金に加入している人は、国民年金だけの人よりも多くの年金を受け取ることができ、老齢厚生年金のほかに、障害厚生年金や遺族厚生年金もあります。 公的年金の目的は、老後の生活を支えるだけでなく、病気や事故で障害を負った人や、家計を支える人を亡くした遺族を支援することにもあります。財源は、加入者が納める保険料と税金の一部で成り立っており、現役世代が高齢者を支える「賦課方式」を採用しています。しかし、少子高齢化が進むことで、この仕組みを今後も維持していくことが課題となっています。公的年金は、すべての国民が支え合い、老後の安心を確保するための重要な制度です。

企業年金

企業年金とは、企業が従業員の退職後の生活資金を支援するために設ける年金制度のことです。代表的なものに確定給付企業年金(DB)と確定拠出年金(DC)があります。DBでは企業が給付額を保証し、DCでは従業員自身が運用リスクを負います。企業年金は、長期的な資産運用が求められるため、運用方針や市場環境の変化が大きな影響を与えます。

公的年金等控除

公的年金等控除とは、年金を受け取っている人の所得税や住民税を計算する際に、年金収入から一定額を差し引ける控除制度です。これにより課税対象となる金額が減り、税負担を軽減できます。 対象となるのは、国民年金・厚生年金・共済年金などの「公的年金」に限られます。これらは所得税法上の「公的年金等」に分類され、控除の対象となります。 一方で、iDeCo(個人型確定拠出年金)や企業型DC、個人年金保険などは、たとえ年金形式で受け取ったとしても税法上は「公的年金等」に該当せず、公的年金等控除の対象外です。これらは「雑所得(その他)」として課税されます。 控除額は受給者の年齢と年金収入の額に応じて異なり、特に65歳以上の高齢者には手厚い控除が設けられています。 | 年齢 | 公的年金等の収入額 | 控除額 | | --- | --- | --- | | 65歳未満 | 130万円以下 | 60万円 | | | 130万円超〜410万円以下 | 収入額 × 25% + 37.5万円 | | | 410万円超〜770万円以下 | 収入額 × 15% + 78.5万円 | | | 770万円超 | 一律195.5万円 | | 65歳以上 | 330万円以下 | 110万円 | | | 330万円超〜410万円以下 | 収入額 × 25% + 27.5万円 | | | 410万円超〜770万円以下 | 収入額 × 15% + 68.5万円 | | | 770万円超 | 一律195.5万円 | たとえば、65歳以上で年金収入が250万円であれば、110万円の控除が適用され、課税対象となる所得は140万円に圧縮されます。

老後資金

老後資金とは、定年退職後の生活を支えるために準備しておくお金のことを指します。収入が減少する老後においても、生活費や医療費、介護費、趣味や旅行などの費用をまかなうための資金です。多くの人にとって、公的年金だけでは十分な生活水準を維持できないことが多いため、自助努力による資産形成が重要になります。老後資金の準備には、確定拠出年金(iDeCo)やつみたてNISAなどの税制優遇制度を活用する方法や、長期の投資信託を用いた積立投資が効果的です。また、退職後の支出計画やライフスタイルの見直しも含めて、早い段階から具体的な目標額を設定し、計画的に貯蓄や投資を進めることが大切です。

確定拠出年金(DC)

確定拠出年金(DC)は、毎月いくら掛金を拠出するかをあらかじめ決め、その掛金を自分で運用して増やし、将来の受取額が運用成績によって変わる年金制度です。会社が導入する企業型と、自分で加入する個人型(iDeCo)の二つがあり、掛金は所得控除の対象になるため節税効果があります。 運用対象は投資信託や定期預金などから選べ、運用益も非課税で再投資される仕組みです。60歳以降に年金や一時金として受け取れますが、途中で自由に引き出せない点に注意が必要です。老後資金を自ら準備し、運用の成果を自分の年金額として受け取る「自助努力型」の代表的な制度となっています。

雑所得

雑所得(ざつしょとく)とは、所得税法において定められた10種類の所得のうち、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得のいずれにも該当しない所得を指します。具体的には、公的年金や副業による収入、仮想通貨の売却益、FXの利益、非営業用貸金の利子などが該当します。 経費を差し引いた金額が課税対象となり、総合課税の対象となります。また、雑所得が年間20万円を超える場合、確定申告が必要になります。

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