固有財産
専門用語解説
固有財産
固有財産とは、特定の主体に専属して帰属し、他の人や集団と共有されない財産として制度上区別される財産を指します。
この用語は、相続、夫婦財産制、法人・団体の財産管理など、財産の帰属や分離が問題となる文脈で用いられます。誰の財産として扱われるのかを明確にする必要がある場面では、共有財産や合有財産と区別するために「固有財産」という考え方が使われます。ここで重要なのは、実際に誰が使っているかではなく、制度上どの主体に帰属しているかという点です。
固有財産についてよくある誤解は、「他人が一切関与できない自由な財産」という理解です。しかし、固有財産であっても、処分や管理について一定の制約がかかる場合があります。たとえば、家族関係や団体の規則、法令によって、完全に自由な扱いができないこともあります。このため、固有財産=無制限に使える財産と短絡的に捉えるのは正確ではありません。
また、固有財産は「最初からずっと個人のものとして存在している財産」だけを指すわけではありません。取得の経緯や制度上の整理によって、共有状態から切り分けられ、固有財産として位置づけられる場合もあります。この点を理解していないと、どの時点で財産の性質が変わったのかを見誤ることになります。
制度理解の観点では、固有財産は「財産を誰の責任と判断で管理・処分するのか」を明確にするための概念として捉えると整理しやすくなります。権利関係を分離することで、紛争の防止や制度運用の安定を図る役割を担っています。
固有財産という用語は、財産の価値や大きさを評価するための言葉ではなく、財産の帰属関係を整理するための制度概念です。この位置づけを踏まえることで、相続や契約、制度説明に接した際も、感覚的な理解に流されず、構造的に状況を把握しやすくなります。