総還元利回り
専門用語解説
総還元利回り
総還元利回りとは、株主に対して企業がどれだけ利益を還元しているかを示す指標で、配当金に加えて自社株買いも含めて計算されます。従来の配当利回りが現金配当だけを対象としていたのに対し、総還元利回りは株主還元をより包括的に把握できる点が特徴です。
計算方法は「総還元利回り=(配当総額+自社株買い総額)÷時価総額」で表されます。例えば、時価総額1兆円の企業が年間で500億円の配当と500億円の自社株買いを実施すれば、総還元利回りは10%となります。このように、配当だけでは見えない株主へのリターンを数値化できるのが大きな利点です。
投資家にとっては、企業がどの程度株主重視の経営を行っているかを比較する基準になります。特に、同業他社や市場平均と比較すれば、どの企業が積極的に株主還元をしているかが見えやすくなります。また、総還元利回りが安定的に高い企業は、利益成長と株主還元のバランスを重視しているケースが多く、長期投資の安心感につながります。
一方で注意点もあります。自社株買いは経営判断に左右されやすく、必ず継続されるものではありません。業績悪化によって減配や自社株買いの縮小が起これば、総還元利回りも容易に変化します。そのため、数値の高さだけでなく、企業の利益水準や資本政策と合わせて総合的に判断することが重要です。