専門用語解説
引受(アンダーライティング)
引受(アンダーライティング)とは、社債や株式などの有価証券を新たに発行する際に、証券会社などの金融機関が発行体から一旦買い取り、投資家に販売する仕組みを指します。発行体は確実に資金を調達でき、証券会社は販売を通じて手数料収入を得ることができます。英語では一般に「underwriting」と呼ばれ、実務では「bond underwriting」や「to underwrite securities」といった表現が用いられます。
引受の方式にはいくつかの形態があり、発行体と証券会社のリスク分担が異なります。証券会社が発行額を全額買い取る「買取引受(Firm Commitment Underwriting)」では、売れ残りリスクは証券会社が負います。投資家に販売して売れ残った分だけを引き受ける「残額引受(Standby Underwriting)」では、リスクを分担します。販売努力はするが売れ残りを引き受ける義務のない「ベストエフォート(Best Efforts Underwriting)」では、発行体がリスクを負うことになります。
引受(アンダーライティング)は、発行体にとっては資金調達を安定させる手段であり、証券会社にとっては収益源となる仕組みです。契約方式によってリスクとコストの分担が変わる点が特徴であり、資本市場の円滑な機能を支える重要な仕組みといえます。