専門用語解説
内部源泉税
内部源泉税とは、外国株式や投資信託などから得られる配当・利息などに対して、日本で課税される前に、海外やファンド内部で自動的に天引きされる税金のことを指します。これは法律上の正式名称ではなく、投資家の間で用いられる通称です。
たとえば米国株に投資して配当を受け取る場合、米国政府が定める源泉税(通常10%)が配当から自動的に差し引かれます。これが「現地源泉税」と呼ばれるもので、日本の証券口座に振り込まれる時点ではすでに税引き後の金額になっています。同じく、外国株に投資する投資信託や海外ETFなどでは、ファンドが受け取った配当に対して各国の税務当局から源泉徴収を受けることがあり、これも内部源泉税の一種です。
これらの税金は日本国内の確定申告前に、投資家の知らないうちに差し引かれているため、「内部的に源泉された税」と表現されます。二重課税となる場合もあり、特に現地源泉税は確定申告で「外国税額控除」を適用することで、一定額の還付や税額控除を受けられる可能性があります。ただし、ファンド内部で天引きされた税金は個別に還付申請できないケースが多く、実質的には投資収益を目減りさせるコストとなります。
このように、表面上の利回りや配当額だけでなく、「見えないコスト」としての内部源泉税の有無やその程度にも注意を払うことが、実質的な投資判断を行ううえで重要です。特に外国資産や外国株投信に投資する際は、税制面での影響もふまえた総合的な理解が求められます。