DBに加入していますが、iDeCoの追加も検討しています。注意点はありますか?
解決済み
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2024/10/22 12:04
男性
60代
現在、確定給付年金の導入企業で働いています。現状のインフレや老後資産のことを考え、iDeCoにも加入を検討しているのですが、DBとiDeCoの併用に際して、なにか注意点があれば教えて下さい。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
確定給付年金(DB)に加入している方がiDeCoを併用されるのは、老後の資産形成において非常に有効です。DBとiDeCoの併用にあたっては幾つかの重要な注意点があります。
2024年10月現在、DBに加入されている方のiDeCoの掛け金上限は月額1.2万円です。
しかし、2024年12月から導入される新制度により、iDeCoの掛金上限額がDBによる「他制度掛金相当額」によって影響を受けることになります。月額5.5万円から他制度掛金相当額を差し引いた額が新たな上限となり、最大でも月額2万円までとなります。そのため、ご自身のDB等の他制度掛金相当額を確認し、iDeCoにどの程度の掛金を拠出できるかを事前に把握しておく必要があります。
また、他制度掛金相当額によっては、iDeCoの最低掛金額である月額5,000円を下回る可能性もあります。その場合、iDeCoへの加入自体ができなくなってしまうので注意が必要です。これらの情報は2022年10月までに勤務先から通知されているはずですので、まずはその内容を確認することをおすすめします。
iDeCoは掛け金が所得控除されたり、一時金が退職所得控除の対象となるなど税制優遇が大きい制度です。DBと異なり、運用成果によって受け取れる金額が変化するため、インフレ対策の効果も期待されます。
その一方で、60歳まで原則として引き出しができないこと、口座開設や管理にかかる手数料が自己負担となるため、掛金額が小さい場合には手数料の負担感が大きくなるといったデメリットもあります。
DBは給付額が一定であるため、安定性が高く、老後の基礎的な生活資金を確保できます。一方、iDeCoは運用成果によって変動するため、DBよりも高いリターンを得られる可能性がありますが、運用を行うため元本割れする可能性も伴います。これら両者を組み合わせることで、安定性と成長性のバランスを取ることができることから、長期的な資産運用としては非常に良い選択と考えられます。
ただし、DBの状況によってはこのようなメリットが受けにくい可能性があるため、詳しくは専門家へご相談ください。
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確定給付年金
確定給付年金(Defined Benefit)とは、受給者の給与や勤務年数などによってあらかじめもらえる金額が決まっている年金のこと。給付額が制度資産の利回りに依拠しないという特徴がある。確定給付企業年金を指す言葉として用いられることもある。受給者に対するメリットとしては、確定給付年金(DB)は確定拠出年金(DC)と比べて資産管理に気を使わなくてよく、老後の安定的な収入源になるが、償却負担が重い場合には給料に悪影響を及ぼす可能性があり、受給権がわかりにくいというデメリットがある。
確定拠出年金
確定拠出年金は、毎月いくら掛金を拠出するかをあらかじめ決め、その掛金を自分で運用して増やし、将来の受取額が運用成績によって変わる年金制度です。会社が導入する企業型と、自分で加入する個人型(iDeCo)の二つがあり、掛金は所得控除の対象になるため節税効果があります。 運用対象は投資信託や定期預金などから選べ、運用益も非課税で再投資される仕組みです。60歳以降に年金や一時金として受け取れますが、途中で自由に引き出せない点に注意が必要です。老後資金を自ら準備し、運用の成果を自分の年金額として受け取る「自助努力型」の代表的な制度となっています。
iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)
iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金の愛称で、老後の資金を作るための私的年金制度です。20歳以上65歳未満の人が加入でき、掛け金は65歳まで拠出可能。60歳まで原則引き出せません。 加入者は毎月の掛け金を決めて積み立て、選んだ金融商品で長期運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取ります。加入には金融機関選択、口座開設、申込書類提出などの手続きが必要です。 投資信託や定期預金、生命保険などの金融商品で運用し、税制優遇を受けられます。積立時は掛金が全額所得控除の対象となり、運用時は運用益が非課税、受取時も一定額が非課税になるなどのメリットがあります。 一方で、証券口座と異なり各種手数料がかかること、途中引き出しが原則できない、というデメリットもあります。