ESG投資とはなんですか?
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2025/01/18 15:12
男性
50代
NISAで長期保有できる銘柄を検討しています。長期投資するならESG投資がいいと聞いたのですが、あまり詳しくありません。ESG投資の意味や、その具体的な投資手法について簡単に知りたいです。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
ESG投資は、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)という非財務情報を財務分析に織り込み、企業の持続可能性まで測って投資判断を行う手法です。2006年に国連が策定した責任投資原則(PRI)を契機に世界中の年金基金や機関投資家が採用し、いまや長期資産運用の「標準装備」になりつつあります。
実務では①化石燃料や軍需産業などを最初から除外する〈ネガティブ・スクリーニング〉、②同業内でESG評価が高い企業だけを採用する〈ポジティブ・スクリーニング(ベスト・イン・クラス)〉、③再生エネルギーや医療アクセスなど社会課題の解決を狙った〈テーマ型/インパクト投資〉、④保有株主として経営に働きかける〈エンゲージメントと議決権行使〉の4つを単独または組み合わせて用います。
ESGに優れる企業は温室効果ガス削減や不祥事防止策が進み、規制強化や訴訟リスクを回避しやすいため、株価の下落耐性が相対的に強いという研究結果も増えています。つまり、短期的な値上がり益より「長期のリスク調整後リターン」を高めることがESG投資の核心と言えます。
NISAで始めるなら、MSCIやFTSEのESG指数に連動する低コストのインデックスファンド、あるいはテーマ性を重視するアクティブファンドが代表的な選択肢です。銘柄開示の透明度、信託報酬、運用実績を比較し、「自分が共感できるテーマ」と「長期コストの低さ」を両立させると、資産形成と社会的インパクトを同時に追求しやすくなります。
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ESG
ESGは環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の略で、企業がこれらの観点で持続可能性に配慮しているかを評価する基準です。投資判断に活用され、社会的課題への関心が高まる中、注目されています。
ESG投資
ESG投資とは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの要素を考慮して行う投資のことです。従来、企業の投資価値は主にキャッシュフローや利益率などの財務情報を基に判断されてきましたが、近年は、環境負荷の低減、社会的責任の遂行、健全な経営体制といった非財務情報も投資判断の重要な指標となっています。 ESGの概念は、2006年に国連が機関投資家向けに「責任投資原則(PRI)」を提唱したことをきっかけに広まりました。ESG要素を投資プロセスに組み込むことで、長期的なリスクを抑えながら持続可能なリターンの向上が期待されます。特に、ESGに積極的に取り組む企業は、規制対応力やブランド価値の向上につながるため、将来的な成長性や安定性の面で投資家の関心を集めています。
ポジティブスクリーニング
ESGに積極的に取り組む企業や業界を選んで投資する方法です。特に環境や社会貢献が評価される企業が対象になります。
ネガティブスクリーニング
環境や社会に悪影響を及ぼす可能性がある事業(例:タバコ、武器、化石燃料など)を投資対象から外す方法です。倫理的・社会的責任を重視した投資の一つの考え方です。
ボラティリティ
ボラティリティは、投資商品の価格変動の幅を示す重要な指標であり、投資におけるリスクの大きさを測る目安として使われています。一般的に、値動きが大きい商品ほどそのリスクも高くなります。 具体的には、ボラティリティが大きい商品は価格変動が激しく、逆にボラティリティが小さい商品は価格変動が穏やかであることを示します。現代ポートフォリオ理論などでは、このボラティリティを標準偏差という統計的手法で数値化し、それを商品のリスク度合いとして評価するのが一般的です。このため、投資判断においては、ボラティリティの大きい商品は高リスク、小さい商品は低リスクと判断されます。
超過リターン(超過収益/エクセスリターン)
超過リターン(エクセスリターン)とは、投資の成果が基準となる指標(ベンチマーク)をどれだけ上回ったかを示すものです。 たとえば、株式市場全体の動きを表す指標である「日経平均株価」や「S&P500」が年間5%上昇したとします。このとき、あなたが投資している商品が7%のリターンを得た場合、その差の2%が超過リターンです。この指標は、投資の「成果が良かったかどうか」を客観的に判断する基準になります。特にアクティブ運用(市場平均を上回ることを目指す投資)の成果を評価する際に重要です。ただし、超過リターンを得るためにはリスクを取る必要がある場合が多いので、投資初心者は自分のリスク許容度をよく考えることが大切です。