株式投資の初心者です。四季報の見方や使い方を教えてください
株式投資の初心者です。四季報の見方や使い方を教えてください
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2025/03/10 15:59
男性
40代
NISAを使って株式投資を始めようと考えています。手始めに四季報を買って企業の勉強をして、どの株を買うか検討しようと思うのですが、初心者が最初に四季報を読むときにどのような読み方や使い方をすればいいでしょうか?注意点も合わせて教えて下さい。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
四季報は、日本の上場企業をほぼ網羅した“企業データ百科事典”です。初心者の方はまず「俯瞰→選別→深掘り」の順で使うと理解しやすく、投資判断もブレにくくなります。
俯瞰
巻頭の業種別業績展望や主要指標一覧をざっと眺め、市場全体や各業種の追い風・向かい風を把握します。そのうえで気になる業種や企業に付箋を付け、関心領域を絞り込みましょう。
選別
候補企業が定まったら「特色」と「連結事業」を読み、ビジネスモデルと競争優位の源泉を把握します。続く「業績記事・材料記事」で直近の需要動向や経営課題、今後の成長シナリオを確認すると、企業のストーリーが立体的に見えてきます。
深掘り
「業績」欄で売上高、営業利益、EPSの推移を追い、稼ぐ力の一貫性と成長速度を検証します。次に「財務」欄で自己資本比率や有利子負債残高をチェックし、資金繰りの安定度を測ります。右肩上がりの売上と堅固な財務体質がそろっていれば、継続成長に耐えうる企業像が浮かび上がります。
定量分析の仕上げとして「指標」欄のPER・PBRと「配当」欄の利回りを見て株価水準を評価しましょう。指標には業種ごとの慣行水準があるため、同業他社との横比較が不可欠です。利回り重視なら配当性向や増配履歴も合わせて確認すると、将来のキャッシュフローの安定度を測る助けになります。
NISAを活用するなら、非課税メリットを最大化できる長期保有が基本です。割安修正を待つバリュー株や、高成長を前提とするグロース株を3〜5年スパンで保有するイメージを持ち、途中の値動きに一喜一憂しないことが成果につながります。
留意点は二つあります。第一に、四季報は四半期更新のため、決算短信やIR資料で最新情報を必ず補完すること。第二に、業績予想は出版社の試算であり誤差もあるため、数字の精度より「増益傾向か減益傾向か」という方向性を重視してください。
最後に、個別株投資は銘柄選択が難しい分リスクも高めです。最初は少額を複数銘柄に分散し、分析と保有を通じて経験値を積み重ねる——これが実践的な上達への近道です。
関連する専門用語
EPS(1株あたりの利益)
EPS(Earnings Per Share)とは、企業を評価する際に使われる指標のひとつで、企業が稼いだ純利益を発行済み株式数で割った値です。1株当たりの利益がどれだけあるのかを示します。 EPS = 当期純利益÷発行済株式数 EPSは株式投資の重要な指標であり、企業の収益性を測る基準として活用されます。EPSが高いほど、投資家にとって魅力的な企業とされることが多いです。
自己資本比率
自己資本比率とは、会社が持っている全体の資産のうち、どれだけが借金ではなく自分自身の資本(=自己資本)でまかなわれているかを示す割合のことです。 この比率が高いほど、会社は外部からの借入れに頼らずに経営していることになり、財務的に安定していると判断されやすくなります。たとえば、自己資本比率が50%であれば、会社の資産の半分が自己資本、残り半分が借入金などの他人資本ということになります。 投資家にとっては、自己資本比率が高い企業ほど経営の安定性が高く、倒産のリスクが低いと考えられるため、企業の健全性を見極めるうえで重要な指標のひとつです。特に長期投資を考える際には、注目しておきたい数字です。
PBR(株価純資産倍率)
PBR(株価純資産倍率)とは、企業の株価が1株当たり純資産の何倍で取引されているかを示す指標です。計算式は「株価 ÷ 1株当たり純資産(BPS)」で求められます。PBRが1倍未満の場合、理論上は会社の解散価値よりも株価が低いとされ、割安と判断されることがあります。
PER(株価収益率)
PER(株価収益率)は、企業の株価がその企業の利益と比較して割安か割高かを判断するための指標です。計算方法は「株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)」で求められ、数値が低いほど利益に対して株価が割安であることを示します。ただし、業界ごとの平均PERが異なるため、他の企業や市場全体と比較して判断することが重要です。PERが高い場合は将来の成長期待が大きいと解釈されることもありますが、過大評価されている可能性もあるため注意が必要です。
バリュー株
バリュー株とは、企業の財務状況や資産価値と比較して割安に取引されている株式を指します。一般的に、成長が鈍化した企業や市場から注目されていない企業に多く、配当利回りが高い傾向にあります。投資家は、企業価値が市場に正しく評価されることで株価が上昇し、利益を得ることを期待して投資します。
