老後資産について
老後資産について
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2025/10/28 08:14
年金に関しては75歳以降に受け取るようにし、それ以降は年金のみにて生活するための生活設計をする場合、日本においてどのエリアであれば生活可能でしょうか。また、60歳の定年後、15年間を貯蓄の取り崩しのみで考えた場合ideco口座にて運用する額がどの程度あれば問題ないと考えられるのでしょうか。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
75歳以降に公的年金のみで生活することを前提に、60歳から75歳までの15年間を「iDeCoなどの老後資産を使いながら生活する期間」として考えると、必要な金額は生活費の水準と運用前提によって明確に試算できます。ここでは、持ち家を前提に地方中核都市または都市郊外で暮らすケースを想定します。
【前提条件】
- 単身世帯:年間生活費300万円(月約25万円)
- 夫婦世帯:年間生活費450万円(月約37.5万円)
- インフレ率:年1%
- 運用利回り:年3%(iDeCo一時金や退職金をNISA・特定口座で運用しながら取り崩す)
この前提で計算すると、60歳から75歳までの15年間で必要な総額は、単身で約3,900万〜4,100万円、夫婦で約5,700万〜6,000万円となります。これは単純な生活費(単身4,500万円・夫婦6,750万円)から運用効果を考慮した現実的な目安です。
資金構成としては、iDeCoの一時金を1,000万〜1,500万円、退職金を2,000万〜3,000万円、預貯金を500万〜1,000万円程度と組み合わせるのが一般的です。まずiDeCoの一時金を最初の数年の生活費として活用し、その後は退職金や預貯金を段階的に取り崩すことで、資産寿命を延ばすことができます。また、特定口座やNISAで3%前後の運用を続けると、取り崩しペースを緩やかに保ち、75歳以降の備えを厚くできます。
75歳以降は、年金を繰り下げ受給することで支給額が最大84%増加します。夫婦で月22〜26万円、単身で15〜18万円前後の年金が見込まれるため、地方中核都市(札幌・仙台・広島・福岡など)や地方都市(長野・金沢・岡山など)であれば、家賃を除いた生活費を十分まかなうことが可能です。都市部での生活を希望する場合は、月25万円以上が必要となるため、資産の一部を残すか、地方・郊外とのデュアルライフを検討するのが現実的です。
なお、実際の必要金額は生活水準・住宅費・医療費・家族構成などによって大きく異なります。投資のコンシェルジュでは、こうした条件をもとに無料で老後資産診断を実施しており、年金受給開始時期や資産取り崩しペースを数値で可視化できます。老後に「いつ・どのくらい」資産を使えばよいかを具体的に把握したい方は、ぜひ無料診断をご利用ください。
関連する専門用語
iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)
iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金の愛称で、老後の資金を作るための私的年金制度です。20歳以上65歳未満の人が加入でき、掛け金は65歳まで拠出可能。60歳まで原則引き出せません。 加入者は毎月の掛け金を決めて積み立て、選んだ金融商品で長期運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取ります。加入には金融機関選択、口座開設、申込書類提出などの手続きが必要です。 投資信託や定期預金、生命保険などの金融商品で運用し、税制優遇を受けられます。積立時は掛金が全額所得控除の対象となり、運用時は運用益が非課税、受取時も一定額が非課税になるなどのメリットがあります。 一方で、証券口座と異なり各種手数料がかかること、途中引き出しが原則できない、というデメリットもあります。
老後資金
老後資金とは、定年退職後の生活を支えるために準備しておくお金のことを指します。収入が減少する老後においても、生活費や医療費、介護費、趣味や旅行などの費用をまかなうための資金です。多くの人にとって、公的年金だけでは十分な生活水準を維持できないことが多いため、自助努力による資産形成が重要になります。老後資金の準備には、確定拠出年金(iDeCo)やつみたてNISAなどの税制優遇制度を活用する方法や、長期の投資信託を用いた積立投資が効果的です。また、退職後の支出計画やライフスタイルの見直しも含めて、早い段階から具体的な目標額を設定し、計画的に貯蓄や投資を進めることが大切です。

