専門用語解説
アドバースセレクション
アドバースセレクションとは、日本語で「逆選抜」や「逆淘汰」とも訳され、情報の非対称性がある市場において、好ましくない取引相手ばかりが残ってしまう現象のことを指します。たとえば、保険市場では、健康な人よりも病気のリスクが高い人のほうが積極的に保険に加入する傾向があり、その結果、保険会社が高リスクの契約者ばかりを抱えてしまうという事態が発生します。
金融や投資の分野でも、資金提供者が十分な情報を持たない場合、信用力の低い借り手ばかりが資金を求めてくる可能性があり、結果的に不良債権のリスクが高まります。アドバースセレクションは、市場の健全な機能を妨げる要因となるため、投資判断や契約においては、情報開示や信頼性のチェックが非常に重要になります。