専門用語解説
期待インフレ率
期待インフレ率とは、今後の物価上昇に対して人々や市場が予想しているインフレの水準のことを指します。これは実際のインフレ率ではなく、「これから物価がどれくらい上がると思っているか」という将来予測であり、企業の価格設定や家計の消費行動、投資家の資産運用に大きな影響を与えます。
たとえば、人々が今後インフレが進むと予想すれば、企業は値上げに積極的になり、消費者は物価がさらに上がる前に購入を急ぐようになるため、実際のインフレが現実化しやすくなるという側面があります。中央銀行にとっても、期待インフレ率は金融政策の方向性を決めるうえで重要な参考指標となります。特に長期金利や実質金利の分析、物価連動債(インフレ連動債)の価格形成などにも深く関係しています。