専門用語解説
ファーストコール
ファーストコールとは、繰上償還が可能な債券において、発行体が初めて任意に償還できるようになる最初の指定日(コールオプション行使可能日)を指します。債券の発行条件にあらかじめ定められており、通常は「ファーストコール日」として日付で示されます。
多くの場合、債券はこのファーストコール日に償還されることを前提に市場で取引され、投資家もそのタイミングを基準に利回りや投資期間を評価します。しかしながら、劣後債など資本性の高い債券では、発行体がファーストコールでの償還を見送るケースもあります。これは、自己資本の維持や市場環境(金利やスプレッド)の変化を踏まえ、繰上償還を延期した方が発行体にとって有利と判断されるためです。
そのため、ファーストコールを前提とした債券投資では、必ずしもその日に償還されるとは限らないことを理解し、償還延期リスクを織り込んだ利回り評価とリスク管理が求められます。