専門用語解説
一般公社債
一般公社債とは、特定公社債の要件を満たさない国債・地方債・社債などの公社債を指し、税制上は「上場株式等」の枠組みに含まれない別区分として取り扱われます。
2016年の税制改正により、公社債は「特定公社債」と「一般公社債」に分けられ、課税方式や損益通算の可否が明確に区分されるようになりました。特定公社債は、公募や上場といった一定の要件を満たす債券が該当し、上場株式等と同様に申告分離課税、損益通算、繰越控除、特定口座での管理が可能です。
一方、これらの要件を満たさない債券は「一般公社債」に分類されます。代表例としては非公募の私募債、一定の転換社債、譲渡制限付き社債などがあり、富裕層や法人を中心に私募形式で流通するケースも多く、投資対象として一定の存在感を持ち続けています。
ただし、税制上の取り扱いには注意が必要です。一般公社債の利子は源泉分離課税(20.315%)が適用され、申告しても他の上場株式等との損益通算はできません。売却益については申告分離課税が適用されますが、こちらも上場株式等との通算対象外です。また、特定口座の対象とはならず、原則として一般口座で自己計算・確定申告が必要となります。
取引量としては特定公社債が多数派を占めているものの、私募債などの一般公社債も依然として制度的に重要な位置づけにあり、投資家にとっては税務面・管理面での影響を正しく理解することが不可欠です。