Issuer-paysモデル
専門用語解説
Issuer-paysモデル
Issuer-paysモデルとは、企業や政府などの債券発行体(Issuer)が、自らの信用格付けを取得するために格付け機関へ料金を支払う仕組みのことを指します。このモデルは、格付けの費用を投資家ではなく発行体が負担することで、格付け情報を広く無料で提供できるというメリットがあります。実際、ムーディーズやスタンダード・アンド・プアーズなど、多くの大手格付け機関がこのモデルを採用しています。一方で、発行体が顧客であることから、「格付けの独立性や中立性に疑問が生じるのではないか」という利益相反の懸念もあります。2008年の金融危機では、このモデルによる過剰な高格付けが問題視され、透明性や監督体制の強化が求められるきっかけとなりました。