専門用語解説
土地家屋調査士
土地家屋調査士とは、不動産の「表示に関する登記」を専門とする国家資格の専門家です。具体的には、土地の境界や面積を測量し、分筆や地目変更といった土地に関する表示登記、建物の新築や滅失など建物の表示登記を行います。これらは、所有権の登記(保存・移転など)を扱う司法書士とは異なり、不動産の物理的な状況を登記簿に正しく反映させる役割を担っています。
土地家屋調査士の業務は、土地や建物の現況調査と測量、法務局への申請書類の作成・提出、隣接地所有者との立会いや境界確認など多岐にわたります。特に土地の分筆や地積更正登記などでは、正確な測量と境界確定が必要になるため、土地家屋調査士の関与が不可欠です。
また、土地家屋調査士は「測量士」と混同されやすいですが、測量士は主に公共測量や都市計画などの公共事業に関わる技術者であり、登記の申請代理権はありません。一方、土地家屋調査士は法務局への登記申請を代理する資格を有しています。つまり、登記に必要な測量と手続きの双方を担うのが土地家屋調査士の特徴です。
土地の相続や売買、住宅の新築・解体など、不動産の形状や面積が変わる場面では、土地家屋調査士への相談が重要です。不動産に関する手続きで「境界」や「面積」が関わる場合は、この資格者が適任といえるでしょう。