専門用語解説
受動的投資主体(Passive NFE/Passive NFFE)
受動的投資主体とは、自ら事業活動を行うことなく、株式や債券、不動産などの投資資産から得られる配当、利息、キャピタルゲインといった受動的所得を主な収入源とする法人や組織のことを指します。タックスヘイブン(租税回避地)に設立されたペーパーカンパニーや、ファンドの中間持株会社などが該当することがあります。
国際的な税務制度においては、こうした主体が課税逃れに利用されるリスクがあるため、FATCA(外国口座税務コンプライアンス法)やCRS(共通報告基準)といった制度の下で、「Passive NFFE」や「Passive NFE」として分類され、情報開示や受益者の報告が義務付けられることがあります。資産管理の透明性や税務コンプライアンスの観点から、受動的投資主体に該当するかどうかの判断は、実務上極めて重要です。