専門用語解説
公的年金等控除
公的年金等控除とは、年金を受け取っている人の所得税や住民税を計算する際に、年金収入から一定額を差し引ける控除制度です。これにより課税対象となる金額が減り、税負担を軽減できます。
対象となるのは、国民年金・厚生年金・共済年金などの「公的年金」に限られます。これらは所得税法上の「公的年金等」に分類され、控除の対象となります。
一方で、iDeCo(個人型確定拠出年金)や企業型DC、個人年金保険などは、たとえ年金形式で受け取ったとしても税法上は「公的年金等」に該当せず、公的年金等控除の対象外です。これらは「雑所得(その他)」として課税されます。
控除額は受給者の年齢と年金収入の額に応じて異なり、特に65歳以上の高齢者には手厚い控除が設けられています。
年齢 | 公的年金等の収入額 | 控除額 |
---|---|---|
65歳未満 | 130万円以下 | 60万円 |
130万円超〜410万円以下 | 収入額 × 25% + 37.5万円 | |
410万円超〜770万円以下 | 収入額 × 15% + 78.5万円 | |
770万円超 | 一律195.5万円 | |
65歳以上 | 330万円以下 | 110万円 |
330万円超〜410万円以下 | 収入額 × 25% + 27.5万円 | |
410万円超〜770万円以下 | 収入額 × 15% + 68.5万円 | |
770万円超 | 一律195.5万円 |
たとえば、65歳以上で年金収入が250万円であれば、110万円の控除が適用され、課税対象となる所得は140万円に圧縮されます。