専門用語解説
プットオプション
プットオプションとは、ある資産を将来の決められた価格で売ることができる「権利」のことです。
株などの資産が値下がりしたときに、その値下がりによる損失を抑えるための「保険」のような役割を果たします。
たとえば、ある株が今100円で取引されていて、将来値下がりしそうだと考えたとします。ここで「1か月後に100円で売れるプットオプション」を買っておけば、仮に1か月後に株価が80円に下がっていても、100円で売ることができます。市場価格より高く売れるため、その差額で利益が出ます。
逆に、株価が120円に上がった場合は、わざわざ100円で売る必要がなくなるので、そのプットオプションは使いません。損失は最初に払った「プレミアム(オプション料)」だけです。このように、損失は限定的で、下落時には利益が出せるのがプットオプションの大きな特徴です。
また、プットオプションは投資家が保有している株の値下がりに備える手段としても使われます。たとえば、大きなイベントや相場の不安定な局面で、一時的にリスクを避ける目的で活用されることがあります。
ただし、プットオプションには「時間が経つだけで価値が減っていく」という特性があります。これは「時間的価値の減少(タイムディケイ)」と呼ばれる現象です。オプションには有効期限があるため、満期までの期間が短くなるほど、「この先相場が動く可能性が小さくなった」と見なされ、オプションの価値は自然と下がっていきます。つまり、何もしなくても時間が経つだけで価値が目減りしてしまうのです。
そのため、プットオプションを使う場合は「いつ下がるか」というタイミングも重要になります。あまりに早く買ってしまうと、思ったより相場が動かずに価値だけが減っていく、ということも起こり得ます。