専門用語解説
改鋳費用(かいちょうひよう)
改鋳費用(かいちょうひよう)とは、金やプラチナなどの現物資産を受け取る際に発生する加工費で、特にETFや積立サービスの「小口転換制度」を利用する場合に必要となります。これは、信託内で保管されている大口サイズの地金(例:400オンスバーなど)を、個人投資家が受け取りやすい1kgバーなどに鋳造し直す工程にかかる費用を指します。単なる取り出しではなく、国際的に認められた精錬業者のブランドや国内流通に適した規格へと加工する必要があるため、その手間やコストが発生します。
改鋳費用は1kgバー1本あたり一定額で設定されており、例えば金の場合は22,000円前後、プラチナではそれ以上となるのが一般的です。これは市場価格とは別にかかる実費であり、受け取り希望者の負担となります。また、改鋳費用のほかに、転換申込に伴う事務手数料(1件あたり5,500円程度)や、現物配送時の運送費・保険料(数千円程度)も必要となり、これらを合算した「総受渡コスト」として把握しておくことが重要です。
一方、信託内で保有されているバーが希望するサイズ・ブランドと一致している場合や、大口(15kg以上)単位でそのまま受け取る場合には、改鋳が不要で費用が発生しないこともあります。ETFごとに転換制度の有無や対象金属・必要コストが異なるため、あらかじめ詳細を確認しておくことが、コスト管理と投資判断の両面で欠かせません。