専門用語解説
特定支出控除
特定支出控除とは、会社員などの給与所得者が仕事のために自分で負担した費用のうち、法律で対象と定められているものについて、確定申告を通じて給与所得控除とは別に追加で差し引ける制度です。
対象になるのは、業務に必要な研修や資格取得にかかった費用、専門書や資料の購入費、制服や職務上特別に必要な衣服の購入費、転勤に伴う引っ越し費用、単身赴任で自宅へ戻るための旅費など、会社から十分に補填されていない実費です。
これらの支出の合計がその年の給与所得控除額の半分を超える場合に、超えた分を追加で差し引くことができ、結果として課税される所得が減ります。利用には、支出が仕事に必要だったことを勤務先に証明してもらう書類と、領収書などの証拠書類をそろえ、翌年に自分で確定申告を行う必要があります。
年末調整だけでは手続きできないこと、私的な学習や日常の買い物は含められないこと、支出の内容と時期が分かる書類をきちんと保管しておくことが大切です。正しく活用すれば、所得税だけでなく住民税の負担も無理なく抑えることにつながります。