専門用語解説
源泉徴収課税
源泉徴収課税とは、所得を支払う側が、受け取る側にお金を渡す前にあらかじめ税金を差し引き、そのまま国に納める仕組みです。たとえば、会社が従業員に給料を支払う際や、銀行が預金の利息を払う際、証券会社が株の配当金を支払う際などに、この方法が使われます。受け取る人が自分で税金を納める手間を省くことができ、税務署側も確実に税金を回収できるというメリットがあります。
たとえば株の配当金では、20.315%(所得税+住民税)の税金が自動的に差し引かれてから口座に振り込まれます。これが「源泉徴収」です。金融商品によっては、これで納税が完了することもありますが、必ずしもすべてが「申告不要」になるわけではありません。制度や状況によっては、確定申告を行うことで税金が還付されたり、他の損失と通算して税負担を軽くできる場合もあります。
たとえば、上場株の配当は「申告不要制度」を使えば税金の手続きが完了しますが、もし同じ年に株を売って損が出ていたら、配当と損失を合算して税金を減らすことができます。そのためには、確定申告が必要です。また、外国株の配当などは海外と日本の両方で課税されるため、日本で申告して「外国税額控除」を受けたほうが有利なケースもあります。
このように、源泉徴収課税は便利な仕組みではありますが、「それだけで完結するのか」「申告すれば有利になるのか」を理解しておくことが大切です。手元に入ってきたお金がすでに税引後だからといって、税金の対応がすべて終わっているとは限らない点に注意しましょう。