コモディティ投資の価格変動リスクの具体的な水準について知りたい
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2025/04/10 11:13
男性
40代
コモディティは価格変動が大きいと理解していますが、具体的にはどの程度の振れ幅を想定すべきでしょうか。株式や債券との相対的なリスク感も含めて、参考になる数値や事例があれば知りたいです。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
コモディティ投資は、価格変動リスクが大きい資産クラスとして知られています。具体的なリスク水準を把握するためには、ボラティリティ(価格変動率)という指標が参考になります。
たとえば代表的なコモディティである原油(WTI)先物は、年率換算のボラティリティが30~60%に達することもあり、日単位で5~10%の値動きが起こることも珍しくありません。金(ゴールド)も比較的安定しているとはいえ、年率20~30%の変動率を示すことがあります。農産物(とうもろこしや小麦など)は、天候や病害などの影響を強く受けるため、非常に短期的な価格変動が激しいのが特徴です。
これを他の資産と比較すると、株式(先進国株)のボラティリティは通常15~25%前後、債券(国債など)は5~10%以下とされており、コモディティはそれらと比べて明確にリスクが高い資産と位置づけられます。
ただし、コモディティの値動きは株式や債券とは異なる要因で動くため、ポートフォリオに一部組み入れることで全体のリスクを分散する効果があります。特にインフレ時にはコモディティが値上がりしやすいため、インフレヘッジとしての役割も期待されます。
なお、価格変動リスクが高いため、コモディティ投資を行う際には、下記の点が重要です。
- 投資対象(先物、ETF、コモディティファンドなど)の性質を理解する
- リスク許容度に応じた投資比率にする
- 短期的な変動に左右されない長期的な視点を持つ
ご自身の資産状況や目的に応じた最適な投資判断を行うためにも、資産運用の専門家に一度ご相談されることをおすすめします。
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WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)とは、アメリカで産出される原油の代表的な種類のひとつで、世界の原油価格を決める際の基準(指標)として使われています。特にニューヨークの原油先物市場で取引される原油は、このWTIが中心です。WTIは軽質で硫黄分が少ないという特徴があり、ガソリンなどの燃料に精製しやすいため、高品質な原油として評価されています。 資産運用の世界では、WTIの価格動向はエネルギー関連株やインフレ動向にも影響を与えるため、投資判断において注目される指標の一つです。
ボラティリティ
ボラティリティは、投資商品の価格変動の幅を示す重要な指標であり、投資におけるリスクの大きさを測る目安として使われています。一般的に、値動きが大きい商品ほどそのリスクも高くなります。 具体的には、ボラティリティが大きい商品は価格変動が激しく、逆にボラティリティが小さい商品は価格変動が穏やかであることを示します。現代ポートフォリオ理論などでは、このボラティリティを標準偏差という統計的手法で数値化し、それを商品のリスク度合いとして評価するのが一般的です。このため、投資判断においては、ボラティリティの大きい商品は高リスク、小さい商品は低リスクと判断されます。
国債
発行体が各国中央政府の債券を国債といいます。発行目的や利払い方式などで種類が分別されます。中央政府に資金需要が発生した際に、国債を発行して資金の調達を行うことがあります。 投資家は国債を購入することで、発行体である中央政府へ資金を提供し、その見返りとして半年に1回などのペースで、中央政府から利子を受け取ります。償還期限までに中央政府の財政が悪化するなど、債務が履行されない状況に陥らなければ、満期には額面どおりの金額が投資家へ償還される仕組みです。 国債には、固定利付国債、変動利付国債、物価連動国債などがあります。