過熱相場は必ずいつかは崩れてしまうのでしょうか
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2025/04/04 16:20
男性
30代
最近「過熱相場に注意」とよく目にしますが、そもそも過熱しているからといって必ずバブルが弾けたり、暴落したりするのでしょうか?短期的には利益が取れるケースもあると聞きますし、どの程度警戒すべきなのか判断が難しいです。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
「過熱相場」と聞くと、すぐにバブル崩壊や暴落を連想しがちですが、実際には相場が過熱しているからといって必ず崩れるとは限りません。むしろ短期的には、その勢いに乗じて株価がさらに上昇し、利益を得られる場面も存在します。
ただし警戒すべきは、その上昇が企業の実力や業績といったファンダメンタルズに裏打ちされたものか、それとも期待先行や一過性のテーマによるものかという点です。たとえば2000年代初頭のITバブルでは、根拠の乏しい熱狂により多くの銘柄が高騰し、やがて現実とのギャップが明らかになって急落しました。一方、AmazonやGoogle(現Alphabet)のように実力ある企業は、バブル崩壊後も着実に成長を遂げています。
過熱相場にどう向き合うかは、投資スタンスやリスク許容度によって異なります。短期の値動きを狙うなら、勢いに翻弄されない冷静な判断と素早い対応が不可欠です。長期投資を前提とするなら、相場の温度感に振り回されず、企業の本質的な価値や将来性を見極める視点が重要になります。
大切なのは「過熱=危険」と決めつけず、自分の投資軸を持ち、なぜ今その銘柄や相場が評価されているのかを自ら判断することです。市場の熱気に流されず、主体的な目線で見極めていく姿勢が、過熱相場との賢い付き合い方といえるでしょう。
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過熱相場
過熱相場とは、株式やその他の資産の価格が、実体経済や企業の業績に比べて不自然に急上昇している状態を指します。多くの投資家が将来の値上がりを期待して買いを続けることで、価格が実体から大きく乖離してしまうのが特徴です。こうした相場では、PER(株価収益率)や出来高が急上昇したり、「今が買い時!」という楽観的なニュースが目立つようになるなど、いくつかの「過熱シグナル」が見られることがあります。 このような過熱相場は長く続かないことが多く、いずれ投資家の冷静さが戻ることで急落に転じるリスクがあります。2000年のITバブルや、2021年のテスラや仮想通貨の急騰などは、過熱相場の典型例といえるでしょう。 そのため、投資家にとっては、価格の勢いに流されすぎず、冷静に企業の本質的価値を見極める姿勢が大切です
バブル
バブルとは、実際の価値よりも大幅に高く価格が上がってしまっている状態を意味します。投資家の期待や過度な楽観によって、株価や不動産などが異常に高くなることがありますが、それが続かなくなると一気に価格が下がり、損失を出す人が増えることになります。バブルは弾けた後の影響が大きいため、注意が必要です。
暴落
暴落とは、株式やその他の資産の価格が短期間で急激に大きく下がることを指します。経済の悪化、金融危機、自然災害、戦争、パンデミックなどの予期しない出来事や、不安心理が市場に広がることで、多くの投資家が一斉に売却に動き、価格が急落します。 過去の例では、2008年のリーマンショックや、2020年のコロナショックなどが有名です。これらの暴落時には、数日〜数週間で株価が何十%も下がることもあります。 通常の「価格調整(調整局面)」とは異なり、暴落はより激しく、投資家心理や市場に大きな影響を与えます。そのため、暴落時には冷静に状況を見極め、過剰な反応を避けることが重要です。日頃からリスク管理を行い、分散投資などで備えておくことが、長期的な資産形成には欠かせません。
本質的価値(ファンダメンタル・バリュー)
本質的価値(ファンダメンタル・バリュー)とは、企業や資産が本来持っていると考えられる「本当の価値」のことを指します。 これは市場で取引されている株価のように、需要と供給によって変動する価格とは異なり、企業の業績、保有する資産、将来の利益予想などのファンダメンタル(基礎的な要素)をもとに算出されるものです。 たとえば、将来にわたって企業が生み出すと期待されるキャッシュフローを現在価値に割り引いて計算する「DCF法(ディスカウント・キャッシュ・フロー法)」などが、本質的価値の算出方法として用いられます。 投資家はこの本質的価値と実際の株価を比較して、割安(買い時)か、割高(様子見や売り時)かを判断します。特に、長期的な視点で企業の価値を重視する「バリュー投資」では、この本質的価値を見極めることが非常に重要です。
ITバブル
ITバブル(またはドットコムバブル)とは、1990年代後半から2000年ごろにかけて、インターネット関連企業の株価が急激に上昇し、その後崩壊した現象を指します。 特にアメリカでは、「.com(ドットコム)」と名前の付く企業への期待が過熱し、業績がほとんど出ていない企業の株価までが高騰しました。代表的な例として、Pets.comや当時のYahoo!などがあります。 しかし、企業の実態が追いついていないことが明らかになると、多くの株価が急落し、2000年以降バブルは崩壊しました。 この出来事は、投資において「期待だけで動く市場の危うさ」や「実体価値とのバランスの重要性」を教えてくれる代表的な歴史的事件の一つです。バブル崩壊後も生き残った企業(Amazonなど)は、その後大きな成長を遂げました。
リスク許容度
リスク許容度とは、自分の資産運用において、どれくらいの損失までなら精神的にも経済的にも受け入れられるかという度合いを表す考え方です。 投資には必ずリスクが伴い、時には資産が目減りすることもあります。そのときに、どのくらいの下落まで冷静に対応できるか、また生活に支障が出ないかという観点で、自分のリスク許容度を見極めることが大切です。 年齢、収入、資産の状況、投資経験、投資の目的などによって人それぞれ異なり、リスク許容度が高い人は価格変動の大きい商品にも挑戦できますが、低い人は安定性の高い商品を選ぶほうが安心です。自分のリスク許容度を正しく理解することで、無理のない投資計画を立てることができます。