暗号資産ETFの税金はどうなりますか?
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2025/02/11 18:47
男性
30代
暗号資産ETFに投資した場合、利益にかかる税金はどのようになりますか?通常の暗号資産投資と比べて有利なのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
暗号資産ETFを国内の証券会社経由で東証などに上場している銘柄として購入した場合、値上がり益も分配金も「上場株式等」として扱われ、申告分離課税20.315%(所得税15%・住民税5%・復興特別所得税0.315%)が適用されます。株式ETFと同じく損益通算や3年間の損失繰越、NISA口座での非課税投資も利用できるため、税制面では現物の暗号資産より有利になる場面が多いです。
一方、ビットコインなどを現物で売買した場合の利益は「雑所得」として総合課税となり、他の所得と合算したうえで最大55%まで累進課税される可能性があります。損失は翌年以降へ繰り越せず、他の所得とも通算できませんので、課税負担や損失処理の柔軟性ではETFが優位です。
ただし海外市場にのみ上場する暗号資産ETFを外国証券口座で直接取引する場合は要注意です。日本の税法上「上場株式等」に該当すれば20.315%の申告分離課税となりますが、条件を満たさない銘柄や店頭取引扱いの商品は雑所得扱いとなるリスクがあります。さらに米国ETFの分配金に対する10%源泉課税や香港ETFの配当課税など、現地課税が生じるケースもあり、外国税額控除の手続きが必要になる場合があります。
最終的な税区分はETFの上場先、市場区分、販売形態、さらに利用する証券会社の取り扱い方針によって変わります。投資前に「日本で上場株式等として扱われるか」「NISAに対応しているか」を必ず確認し、不明点は証券会社や税理士など専門家に相談されることをおすすめします。
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総合課税
総合課税は、給与や年金、事業収入、不動産収入、利子、配当など、1年間に得たさまざまな所得を合算し、その合計額に累進税率を適用して所得税を計算する方式です。 所得が増えるほど税率が高くなるため、高所得者ほど税負担が大きくなる点が特徴です。一方、金融所得には総合課税以外の課税方法を選択できる場合があります。 たとえば、株式譲渡益や先物取引益などは「申告分離課税」を選ぶことで、ほかの所得と区分して一律20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)で申告できます。 また、預貯金利息や一部の公社債利子などは、支払元が税金を源泉徴収する「源泉分離課税」となり、原則として確定申告は不要です。配当や利子のように課税方式を選択できるケースでは、ご自身の所得水準や控除の有無、損益通算の可能性を踏まえ、総合課税・申告分離課税・源泉分離課税のどれを採用するかを検討することが、最終的な税負担を抑えるうえで重要になります。
暗号資産ETF
暗号資産ETF(Exchange Traded Fund)は、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産(仮想通貨)の価格に連動する上場投資信託です。 証券取引所で株式と同じように売買できるため、投資家は直接暗号資産を保有せずに、その価格変動に投資できます。 暗号資産ETFには、現物型と先物型の2種類があります。現物型は、実際にビットコインなどを保有し、価格に連動する仕組みです。 一方、先物型は暗号資産の先物契約を通じて価格を追跡します。 2023年には、カナダやヨーロッパで現物型ETFが登場し、2024年には米国でもビットコイン現物ETFが承認されました ETFを利用することで、ウォレットの管理不要、規制の整った市場での取引、税制面の優遇といったメリットがあります。 一方で、価格の変動が大きいため、リスク管理も重要です。暗号資産市場の成長とともに、今後さらなる注目を集める分野です。