遺族基礎年金と遺族厚生年金では実際いくら受け取れるのでしょうか。
回答受付中
0
2025/05/30 14:37
男性
50代
遺族年金が将来の生活費にどの程度役立つのかを把握したいと考えています。具体的には、遺族基礎年金と遺族厚生年金がそれぞれいくら支給されるのか、その計算方法やモデルケースを知りたいです。扶養している子どもの有無や配偶者の年齢によって金額がどのように変わるのか、目安となる概算額とあわせて教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
遺族基礎年金は年度ごとに物価スライドで改定される定額給付です。2024年度は年額81万6,000円、2025年度は81万3,700円の見込みとなっており、第1子・第2子には各22万4,500円、第3子以降には7万4,800円が上乗せされます。
一方、遺族厚生年金は故人の老齢厚生年金（報酬比例部分）の4分の3が基本額です。たとえば平均標準報酬月額30万円・厚生年金加入20年の方が亡くなった場合、報酬比例額は約57万円となり、その4分の3にあたる約43万円が年額の遺族厚生年金となります。
妻が40〜65歳なら中高齢寡婦加算が約58万円上乗せされ、合計約101万円を受け取れる試算です。ただし「標準報酬が低い」「加入期間が短い」あるいは自営業者で厚生年金に加入していない場合には遺族厚生年金が支給されないか、大幅に減額されます。
自身の見込み額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で報酬記録を確認し、年金事務所で試算することが確実です。不足分の生活費は生命保険や預貯金で補うなど、多層的な備えを検討しましょう。加算額やスライド率は毎年公示されるため、最新情報を必ず確認して運用してください。
関連記事
関連質問
関連する専門用語
遺族基礎年金
遺族基礎年金とは、国民年金に加入していた人が亡くなったときに、その人に生計を維持されていた一定の家族（主に子どもがいる配偶者や子ども自身）に支給される年金です。これは公的年金制度のひとつで、生活保障を目的としており、主に子育て世帯を対象にしています。たとえば、夫が亡くなり、子どもを育てる妻がいる場合、その妻に遺族基礎年金が支給されます。受給の条件には、亡くなった人が保険料を一定期間納付していたことや、受け取る側に対象となる子どもがいることなどが含まれます。支給額は定額で、子どもの人数に応じた加算もあります。子どもが一定年齢に達すると支給は終了します。家計を支える人を失ったときに、遺族の生活を一定期間支援する大切な制度です。
遺族厚生年金
遺族厚生年金とは、厚生年金に加入していた人が亡くなった場合に、その遺族に支給される公的年金のことです。対象となるのは、主に配偶者（特に一定年齢以上の妻）、子ども、父母、孫、祖父母などで、生計を同じくしていたことが条件とされます。 遺族基礎年金が子どもがいる世帯を中心に支給されるのに対し、遺族厚生年金は子どもがいなくても一定の条件を満たせば支給されるため、対象範囲がやや広いのが特徴です。支給額は、亡くなった人の厚生年金の納付記録や報酬額に基づいて計算されるため、個人差があります。また、遺族基礎年金と併用して受け取れる場合もあり、特に現役世代の死亡リスクに備える重要な保障制度のひとつとされています。家計の柱を失ったときに、遺族の生活を長期にわたって支える仕組みです。
物価
物価とは、私たちが日常生活で購入する商品やサービスの価格の平均的な水準のことを指します。たとえば、食料品や衣類、交通費、家賃など、さまざまなものの値段を総合的に見て、その全体的な動きが「物価」として表されます。物価が上がることを「インフレーション（インフレ）」、下がることを「デフレーション（デフレ）」と呼び、これらは家計や経済全体に大きな影響を与えます。資産運用では、物価の変動が投資のリターンに影響するため、インフレ対策や実質利回りを考えるうえで重要な要素となります。
標準報酬月額
標準報酬月額（ひょうじゅんほうしゅうげつがく）とは、日本の社会保険制度において、健康保険や厚生年金保険の保険料や給付額を計算する基準となる月額報酬のことを指します。これは、従業員の給与や賃金を基にして決定されますが、月ごとの変動を考慮して一定の範囲に分類されます。 <計算対象の例> 基本給、能率給、奨励給、役付手当、職階手当、特別勤務手当、勤務地手当、物価手当、日直手当、宿直手当、家族手当、休職手当、通勤手当、住宅手当、別居手当、早出残業手当、継続支給する見舞金等、事業所から現金または現物で支給されるもの
中高齢寡婦加算
中高齢寡婦加算とは、遺族厚生年金を受け取る妻が40歳から64歳までの中高年齢層であり、子どもがいない、または子どもがすでに支給対象外となっている場合に、遺族厚生年金に上乗せして支給される加算金のことです。これは、配偶者の死後、急に収入を失った中高年の女性が、老齢年金を受け取れる年齢になるまでの生活を支える目的で設けられています。 特に子育てが終わった後の女性が対象となりやすく、再就職が難しい年齢層であることから、生活の安定を支援する制度として重要です。なお、65歳になると老齢年金の受給が始まるため、この加算は終了します。中高齢寡婦加算は、遺族年金制度の中でも特定の生活状況に配慮した制度であり、遺族厚生年金の理解を深めるうえでも欠かせない要素です。
年金定期便
年金定期便とは、日本年金機構が毎年1回、すべての年金加入者に送付している通知書で、自分の年金加入状況や将来の年金見込額などが記載されています。送付される時期は誕生月で、記録漏れや間違いがないかを確認するための大切な資料です。35歳・45歳・59歳の節目の年には、より詳しい情報が載った特別バージョンが送られ、老後の生活設計を具体的に考えるきっかけになります。内容を確認することで、年金記録の確認や将来の資金計画に役立てることができます。ねんきんネットを利用すれば、これと同様の情報をオンラインでも確認できます。
