MBOとTOBの違いを知りたい
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2025/02/18 14:00
男性
40代
MBOとTOBってよく聞くけど、具体的に何が違うのでしょうか?どちらも企業の買収に関係する言葉だと思いますが、それぞれの意味を教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
MBOとTOBは、ともに株式取得を伴う企業買収の場面で使われますが、MBOは「誰が何のために買うか」を示し、TOBは「どのように買うか」を示すという切り口の違いがあります。
MBOは経営陣が自社株を買い取り、経営権を自らに集約して上場コストや短期株主圧力から解放され、中長期的な成長戦略を機動的に実行することを狙います。資金はプライベート・エクイティファンドや金融機関からの借入・出資を組み合わせて調達するのが一般的で、経営陣自らが主体のため基本的に友好的な取引となります。
一方TOBは買付者が価格・期間・株数を公告し、市場外で株主から一括して株式を取得する公開買付手続きです。買付者は経営陣に限らず親会社、競合企業、投資ファンドなど多様で、目的も子会社化や持分比率引き上げ、事業再編など幅広く、対象企業が賛同する友好的TOBと反対する敵対的TOBの両方が存在します。
MBOを実行する際には、経営陣が資金を束ねてTOB方式で株式を集めるケースが多いものの、TOBはMBO以外の買収でも用いられます。したがって「主体と目的で語るのがMBO」「取得手段として語るのがTOB」と覚えると両者の違いが整理しやすくなります。
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MBO
Management Buyout(マネジメント・バイアウト)の略。経営陣が自ら会社の株式・事業などをその所有者から買収することを指す。一般的に経営陣は、手元資金の規模が限られていることから、事業の買収にあたっては借入金による調達が必要となるケースが多いため、MBOはLBOの 形態をとることが多い。また、借入金だけでは調達ができないような場合には、経営陣はエクイティを提供する共同スポンサーとしてバイアウト・ファンドとパートナーを組むケースも見られ、上場企業の株式非公開化やオーナー企業の事業承継などにも利用されている。MBOにより、現オーナーから株式を承継する経営陣は、株式の散逸を防ぐことで経営の安定化を図ることが可能となる。
TOB(株式公開買付)
特定の企業の株式を、市場取引ではなく公開の場で株主から直接買い付ける方法です。買付期間や価格、予定株数などを事前に公表し、投資家は提示条件を踏まえて売却を検討します。 通常、市場価格より高めに買付価格が設定されることで既存株主に売却を促すインセンティブが働き、買収成立を目指すのが一般的です。 買収後の経営方針や企業価値向上策などを明確に示すことで、投資家や市場の理解を得やすくなります。ただし、敵対的TOBの場合は経営陣や他の大株主との対立に発展することもあります。