投資信託を高いときに買ってしまった場合どうすればいい?
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2025/07/18 08:19
男性
30代
投資信託を始めたばかりですが、購入した後に価格が下がり、「高値で買ってしまった」と後悔しています。このまま保有して価格の回復を待つのか、追加で買い増すか、それとも一度売った方がよいのか、どのように対処すべきでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
投資信託を高値で買ったと感じても、すぐに売却する必要はありません。まず、ご自身の運用目的や期間を確認しましょう。
投資信託はもともと中長期の積立運用を前提としており、運用期間が10年以上あれば、短期的な価格の下落はそれほど気にする必要はありません。むしろ価格が下がっているときこそ定期的に一定金額で買い続ける「ドルコスト平均法」を活用することで、長期的には購入価格が平準化され、運用効率が高まります。
ただし、短期的に資金が必要な場合や大きく値下がりしてリスク許容度を超えている場合には、追加購入を中断し、部分的な売却や他の資産への乗り換えを検討するのも一つの手です。また、税効果を考え、いったん売却後、類似の別のファンドに買い換える方法も有効です。
重要なのは、目先の価格変動に惑わされず、計画的な投資を継続することです。運用期間、リスク、税制の観点から冷静に判断することで、高値買いの影響を最小限に抑えることができます。
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投資信託
投資信託は、多くの投資家から集めた資金を一つの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。運用によって得られた成果は、各投資家の投資額に応じて分配される仕組みとなっています。 この商品の特徴は、少額から始められることと分散投資の効果が得やすい点にあります。ただし、運用管理に必要な信託報酬や購入時手数料などのコストが発生することにも注意が必要です。また、投資信託ごとに運用方針やリスクの水準が異なり、運用の専門家がその方針に基づいて投資先を選定し、資金を運用していきます。
高値掴み
高値掴みとは、価格が高いときに金融商品を購入してしまい、その後価格が下落することで損失を抱えることを指します。投資のタイミングを誤った場合に起きやすいリスクです。ドルコスト平均法を使えば、定期的に購入するためこのリスクを軽減できます。
ドルコスト平均法
ドルコスト平均法とは、一定の金額を定期的に投資する方法です。価格が高いときは少なく、価格が低いときは多く買えるため、購入価格が平均化され、リスクを分散できます。市場のタイミングを読む必要がないため、初心者に最適な方法とされています。長期投資で効果を発揮し、特に投資信託やETFで利用されることが多い手法です。
ポートフォリオ
ポートフォリオとは、資産運用における投資対象の組み合わせを指します。分散投資を目的として、株式、債券、不動産、オルタナティブ資産などの異なる資産クラスを適切な比率で構成します。投資家のリスク許容度や目標に応じてポートフォリオを設計し、リスクとリターンのバランスを最適化します。また、運用期間中に市場状況が変化した場合には、リバランスを通じて当初の配分比率を維持します。ポートフォリオ管理は、リスク管理の重要な手法です。
損益通算
投資で発生した利益と損失を相殺することで、課税対象となる利益を減らす仕組みのことです。たとえば、株式投資で50万円の利益が出た一方、別の取引で30万円の損失が発生した場合、損益通算を行うことで、課税対象となる利益は50万円から30万円を引いた20万円になります。この仕組みにより、納める税金を減らすことが可能です。 損益通算が適用されるのは、同じ「所得区分」の中でのみです。たとえば、株式や投資信託の譲渡損益や配当金などは「株式等の譲渡所得等」に分類され、この範囲内で損益通算が可能です。ただし、不動産所得や給与所得など、異なる所得区分間では基本的に通算できません。 さらに、株式投資の損失は、損益通算後も控除しきれない場合、翌年以降最長3年間繰り越して他の利益と相殺できます。これを「繰越控除」と呼び、投資初心者にとっても節税に役立つ重要なポイントです。
インデックスファンド
インデックスファンドとは、特定の株価指数(インデックス)と同じ動きを目指して運用される投資信託のことです。たとえば「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」などの市場全体の動きを示す指数に連動するように設計されています。この仕組みにより、個別の銘柄を選ぶ手間がなく、市場全体に分散投資ができるのが特徴です。また、運用の手間が少ないため、手数料が比較的安いことも魅力の一つです。投資初心者にとっては、安定した長期運用の第一歩として選びやすいファンドの一つです。