45歳会社員です。確定給付年金で将来いくら貰えるか知るにはどうすればいいですか?
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2024/10/31 23:41
男性
60代
45歳会社員です。今まで確定給付年金(DB)についてまったく気にしていませんでしたが、老後のことを考えると自分が将来どのくらいもらえるのか気になり始めました。<br>そもそもDBとはどんな仕組みで、どのように受け取れるのか、税制優遇などあるのかを教えていただけますか?初歩的な質問で恐縮ですが、よろしくお願いします。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
確定給付企業年金(DB)は、会社が掛金の拠出と資産運用を担い、あなたが受け取る年金額をあらかじめ約束する制度です。運用損益は企業が負担するため、市場変動による給付減少リスクを個人が負うことはありません。
受取方法は①終身または一定期間の「年金」、②退職時一括の「一時金」、③両者を組み合わせるハイブリッドの三択です。配分比率や手続きは企業ごとに異なるため、就業規則や年金規約で確認してください。
税制優遇も大きな魅力です。一時金には退職所得控除〔勤続20年まで:年40万円×勤続年数(最低80万円)、20年超:800万円+70万円×(勤続年数-20年)〕が適用され、年金受取分は公的年金等控除の対象となります。
給付額は多くの企業が採用する「ポイント制」で算定され、勤続年数に役職・評価ポイントが上乗せされる仕組みです。同じ勤続年数でもキャリアによって受取額が変わるため、個別の試算が不可欠です。
将来受取額を調べる方法は次の三つが基本です。①会社の人事・労務部門に問い合わせて最新の試算表を入手する(最速で正確)。②転職歴がある場合は企業年金連合会へ照会する。③就業規則や退職金規程を読む。なお、会社が破綻しても年金資産は信託銀行等で分離管理されており、一定の保護が図られています。
昨今はDBから確定拠出年金(DC)への移行が増えています。制度変更が予定されている場合は給付水準や自己負担額が変わる可能性があるため、早めに情報を収集し、必要に応じてファイナンシャル・プランナーへ相談しましょう。得られた試算結果をもとに、公的年金やiDeCoなど他制度と組み合わせた老後資金計画を立てることで、より精度の高いライフプランが描けます。
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確定給付年金
確定給付年金(Defined Benefit)とは、受給者の給与や勤務年数などによってあらかじめもらえる金額が決まっている年金のこと。給付額が制度資産の利回りに依拠しないという特徴がある。確定給付企業年金を指す言葉として用いられることもある。受給者に対するメリットとしては、確定給付年金(DB)は確定拠出年金(DC)と比べて資産管理に気を使わなくてよく、老後の安定的な収入源になるが、償却負担が重い場合には給料に悪影響を及ぼす可能性があり、受給権がわかりにくいというデメリットがある。
確定拠出年金
確定拠出年金は、毎月いくら掛金を拠出するかをあらかじめ決め、その掛金を自分で運用して増やし、将来の受取額が運用成績によって変わる年金制度です。会社が導入する企業型と、自分で加入する個人型(iDeCo)の二つがあり、掛金は所得控除の対象になるため節税効果があります。 運用対象は投資信託や定期預金などから選べ、運用益も非課税で再投資される仕組みです。60歳以降に年金や一時金として受け取れますが、途中で自由に引き出せない点に注意が必要です。老後資金を自ら準備し、運用の成果を自分の年金額として受け取る「自助努力型」の代表的な制度となっています。
確定給付企業年金 (DB)
確定給付型企業年金(DB)とは、企業が従業員の退職後に受け取る年金額を保証する企業年金制度です。あらかじめ決められた給付額が支払われるため、従業員にとっては将来の見通しが立てやすいのが特徴です。DBには規約型と基金型の2種類があります。規約型は、企業が生命保険会社や信託銀行などの受託機関と契約し、受託機関が年金資産の管理や給付を行う仕組みです。基金型は、企業が企業年金基金を設立し、その基金が資産を運用し、従業員に年金を給付する仕組みです。確定拠出年金(DC)との大きな違いは、DBでは企業が運用リスクを負担する点であり、運用成績にかかわらず従業員は決まった額の年金を受け取ることができます。一方、DCでは従業員自身が運用を行い、将来受け取る年金額は運用成績によって変動します。DBのメリットとして、従業員は退職後の給付額が確定しているため安心感があることが挙げられます。また、企業にとっては従業員の定着率向上につながる点も利点となります。しかし、企業側には年金資産の運用成績が悪化した場合に追加の負担が発生するリスクがあるため、財務的な影響を考慮する必要があります。