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初心者向けに四季報の読み方の基本を教えてください

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2025/07/07 12:39


男性

40代

question

株式投資を始めるにあたり、企業分析に役立つと聞いた四季報ですが、情報が多くて読みこなせません。初心者でも実践できる四季報の読み方や、特に注目すべきポイントをわかりやすく教えていただけますか?


回答

佐々木 辰

株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長

株式投資を始めたばかりの方にとって、「会社四季報」は情報量が多く、どこから読めばよいのか戸惑うことが多いと思います。しかし、基本のポイントを押さえれば、初心者でも十分に使いこなすことができます。

まずは、会社四季報の中でも特に重要な項目から見ていきましょう。

最初に注目したいのは「会社概要」です。ここにはその企業がどんな事業をしているか、どんな特徴があるのかが簡潔に書かれています。投資のテーマに合っているかを確認する入り口として最適です。

次に見るべきは「業績の推移」です。売上高や営業利益、経常利益、純利益、1株あたり利益(EPS)などが記載されています。これらが過去から現在、そして今後の予想にかけてどのように変化しているかを見ることで、企業の成長性が分かります。右端には企業自身の業績予想と、四季報編集部による独自予想が並んでいます。両者の差が大きい場合は、外部からの評価と会社の見通しにギャップがあることを意味するので要チェックです。

続いて「財務指標」を見ましょう。たとえば自己資本比率が高ければ財務の安定性があり、ROE(自己資本利益率)が高ければ収益性に優れていると判断できます。PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)といった指標は、株価が割高か割安かを測るヒントになります。

「コメント欄」も非常に重要です。ここには、最近の決算のポイントや今後の業績見通し、新たな事業展開、懸念材料などが簡潔にまとめられています。数字だけでは分からない企業の動きや方向性をつかむのに役立ちます。

最後に「株価や配当の情報」も見ておきましょう。現在の株価と1年の高値・安値、配当利回り、株主優待の有無などが載っています。利回りを重視する投資スタイルの場合は、この情報が特に参考になります。

ここまでの流れを簡単にまとめると、「①会社概要 → ②業績推移 → ③財務指標 → ④コメント欄 → ⑤株価・配当情報」の順に読むことで、四季報の重要なポイントを効率的に把握することができます。

さらに、初心者の方におすすめなのが、過去の号と並べて見ることです。四季報は年に4回発行されるため、同じ企業の記載内容を2〜3号分比較することで、業績の変化や記述内容の変化から、企業の成長性や注目の度合いを読み取ることができます。

気になる銘柄が見つかったら、四季報だけでなく、企業のIRサイトで決算資料や説明資料を見て、より詳しく確認することも大切です。四季報はあくまで概要を知るためのスタート地点です。

なお、注意点として、四季報に載っている予想は必ずしも当たるわけではありません。また、数値の単位(百万円や億円)を見間違えないようにすることや、一部の指標だけで判断せず、総合的に見ることも重要です。

四季報の読み方をマスターすれば、限られた時間でも効率よく企業を比較・選定できるようになります。投資の判断材料として、ぜひ上手に活用してみてください。

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会社四季報

会社四季報とは、日本の全上場企業約4,000社の株価や業績に関する情報を1冊にまとめたデータ本で、東洋経済新報社発刊です。「四季報」という言葉の通り、毎年3、6、9、12月と年に4回発売されています。国内の全上場企業の情報が1冊でコンパクトにまとまっている出版物は海外ではあまり見られず、日本特有のものとして評価されています。

EPS(1株あたりの利益)

EPS(Earnings Per Share)とは、企業を評価する際に使われる指標のひとつで、企業が稼いだ純利益を発行済み株式数で割った値です。1株当たりの利益がどれだけあるのかを示します。 EPS = 当期純利益÷発行済株式数 EPSは株式投資の重要な指標であり、企業の収益性を測る基準として活用されます。EPSが高いほど、投資家にとって魅力的な企業とされることが多いです。

ROE(Return On Equity/自己資本利益率)

ROE(Return On Equity/自己資本利益率)とは、企業が株主から預かった自己資本をどれだけ効率的に活用し、利益を生み出しているかを示す財務指標です。計算式は「ROE(%)= 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100」または「ROE(%)= EPS(一株当たり利益)÷ BPS(一株当たり純資産)× 100」で求められます。 ROEが高いほど、株主資本を効率的に活用して収益を上げていると判断され、投資家にとって魅力的な企業と見なされやすくなります。ただし、自己資本を減らしてROEを意図的に高める手法もあるため、借入依存度(財務レバレッジ)とのバランスも考慮する必要があります。長期投資の際は、ROEの推移や業界平均と比較し、持続的な成長が可能かを見極めることが重要です。 「Return On Equity」(自己資本利益率)の略。企業の自己資本(株主資本)に対する当期純利益の割合で、計算式はROE(%)=当期純利益 ÷ 自己資本 × 100、またはROE(%)=EPS(一株当たり利益)÷ BPS(一株当たり純資産)× 100。ROE(自己資本利益率)は、投資家が投下した資本に対し、企業がどれだけの利益を上げているかを表す重要な財務指標。ROEの数値が高いほど経営効率が良いと言える。

PER(株価収益率)

PER(株価収益率)は、企業の株価がその企業の利益と比較して割安か割高かを判断するための指標です。計算方法は「株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)」で求められ、数値が低いほど利益に対して株価が割安であることを示します。ただし、業界ごとの平均PERが異なるため、他の企業や市場全体と比較して判断することが重要です。PERが高い場合は将来の成長期待が大きいと解釈されることもありますが、過大評価されている可能性もあるため注意が必要です。

PBR(株価純資産倍率)

PBR(株価純資産倍率)とは、企業の株価が1株当たり純資産の何倍で取引されているかを示す指標です。計算式は「株価 ÷ 1株当たり純資産(BPS)」で求められます。PBRが1倍未満の場合、理論上は会社の解散価値よりも株価が低いとされ、割安と判断されることがあります。

自己資本比率

自己資本比率とは、会社が持っている全体の資産のうち、どれだけが借金ではなく自分自身の資本(=自己資本)でまかなわれているかを示す割合のことです。 この比率が高いほど、会社は外部からの借入れに頼らずに経営していることになり、財務的に安定していると判断されやすくなります。たとえば、自己資本比率が50%であれば、会社の資産の半分が自己資本、残り半分が借入金などの他人資本ということになります。 投資家にとっては、自己資本比率が高い企業ほど経営の安定性が高く、倒産のリスクが低いと考えられるため、企業の健全性を見極めるうえで重要な指標のひとつです。特に長期投資を考える際には、注目しておきたい数字です。

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