専門用語解説
有事のドル買い
有事のドル買いとは、戦争、テロ、金融危機、自然災害など、世界的に不安や混乱が高まる「有事」の際に、投資家たちがリスク回避のために米ドルを買う動きのことをいいます。米ドルは、世界で最も取引量が多く、信頼性の高い基軸通貨とされており、政治や経済の安定性に加え、流動性が非常に高いため、緊急時でも資金の逃避先として選ばれやすいのが特徴です。
このような状況では、他の通貨よりも米ドルが買われることで、ドル高になる傾向が見られます。有事のドル買いは、為替相場に大きな影響を与えるだけでなく、株式や債券など他の金融商品の値動きにも連動することがあるため、世界情勢に敏感に反応する投資戦略の一つとして知られています。資産運用を考える上でも、国際的なリスクと通貨の関係を理解するうえで重要な概念です。