専門用語解説
既往歴
既往歴(きおうれき)とは、これまでにかかった病気やケガ、その治療内容など、過去の健康状態に関する記録や事実を指します。保険の分野ではとくに重要な概念であり、生命保険・医療保険・がん保険などに加入する際の「告知義務」に直結します。
保険会社は、契約者の既往歴を参考にして、リスクの程度を判断します。たとえば、過去に大きな病気を患った場合は、将来的に再発や関連する病気を発症する可能性があると見なされ、保険の引き受けが制限されたり、特定の部位・疾病が保障対象外となる「特定部位不担保」の条件がついたり、場合によっては加入そのものを断られることもあります。一方で、完治から一定の期間が経過しており、再発リスクが低いと判断されれば、通常の条件で加入できるケースもあります。
既往歴は契約者にとって不利に働くことが多いですが、正直に告知することが何より大切です。仮に既往歴を隠して加入した場合、保険会社に発覚すると「告知義務違反」となり、保険金が支払われないリスクがあります。近年では、既往歴があっても加入できる「引受緩和型保険」や「持病があっても入れる医療保険」などの商品も増えており、健康状態に応じた選択肢が広がっています。
したがって、保険加入時には自分の既往歴を正しく整理し、通常の商品がよいのか、緩和型が適しているのかを検討することが重要です。不安があれば専門家に相談し、告知の方法や商品選びについてアドバイスを受けると安心です。