専門用語解説
実質国債残高
実質国債残高とは、政府が発行している国債の総額から、政府自身が保有している国債や、中央銀行(日本では日本銀行)が保有している分を差し引いた、いわば「民間や他の機関が実際に保有している国債の残高」のことを指します。単に「国債残高」といった場合は、発行されたすべての国債を含みますが、実質国債残高は市場に影響を与える“流通している負債”に着目した指標です。
たとえば、日本銀行が多くの国債を保有している現在では、表面上の国債残高が大きくても、実質的な負担はそれよりも小さいと見ることができます。初心者の方には、「政府の借金のうち、実際に返さなければならない相手がいる分」と考えるとイメージしやすいでしょう。財政の健全性や国債市場の安定性を評価するうえで重要な視点となる数値です。