専門用語解説
取消権
取消権とは、すでに成立した法律行為(たとえば契約など)に対して、一定の理由がある場合に、その効力を後から無効にすることができる権利のことです。代表的な例としては、未成年者が親の同意なく契約した場合や、詐欺や脅迫によって契約させられた場合などに、後からその契約を取り消すことが認められています。
取消権を行使すると、その契約は最初からなかったこととされ、元の状態に戻す義務(返還義務)が発生します。この権利は、不当な契約や不利益な取引から当事者を保護するための重要な制度であり、資産運用や消費者取引、相続の現場でも用いられることがあります。特に高齢者や判断能力が不十分な人をめぐる取引では、取消権の存在が大きな安全装置となります。