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工場見学で見えた森永乳業の魅力:成長領域と投資妙味を解説

工場見学で見えた森永乳業の魅力:成長領域と投資妙味を解説

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執筆者:

公開:

2025.08.27

更新:

2025.08.27

株式国内株式

森永乳業は1917年創業の老舗乳業メーカーで、育児用ミルクからシニア向け商品まで幅広く展開。特にビフィズス菌やラクトフェリンなどの機能性素材に強みがあり、ドイツのMILEI社を通じて世界トップシェアの素材も。2025年からは新たな中期経営計画を始動し、成長分野への集中投資と資本効率の向上を両立する「メリハリ」経営に注力。本記事では、同社の工場見学施設を通じて見えるブランドの姿と、投資家視点での魅力をわかりやすく解説します。

サクッとわかる!簡単要約

本記事を読むと、ビフィズス菌やラクトフェリンといった独自素材の研究力と育児用ミルク・ヨーグルト・アイスなど強みのある商品の成長戦略を通じて、森永乳業が国内外で築く新たな成長基盤を俯瞰できます。また、原材料高や人口減など業界特有のリスクや、予想PER約14倍・PBR約1倍という現在の株式評価水準を同業他社と比較することで、長期保有時のリターン期待や損益分岐点もイメージしやすくなります。さらに、工場見学などサステナビリティ活動がブランド価値を高める仕組みまで理解でき、定性的・定量的双方から投資判断に必要な視座を得られるでしょう。

目次

工場見学で知る、森永乳業の魅力

成長ドライバーは「菌体」「海外育児用ミルク」「ヨーグルト」「アイス」

海外市場での再成長に注力――菌体と育児用ミルクが牽引

収益性と資本効率を両立する「メリハリ」経営へ

森永乳業は長期投資向き?最新業績と株価のポイントをやさしく解説

工場見学で知る、森永乳業の魅力

茨城県常総市にある「Morinaga Smile Factory(モリナガスマイルファクトリー)利根工場」は、森永乳業が一般向けに開放している工場見学施設の一つです。2023年9月にオープンした比較的新しい施設で、ビフィズス菌とヨーグルト製造をテーマにデジタルコンテンツや体験型展示を備えています(見学は要予約)。

項目内容
名称Morinaga Smile Factory(モリナガスマイルファクトリー) 利根工場
住所〒303-0043 茨城県常総市内守谷町4013−1
電話0120-369-677
開催日火~金曜日(祝日、年末年始、工場休業日を除く)
所要時間約60分
予約要(5日前までにWebまたはメールにて)
参加料無料
駐車場あり
アクセス常磐道谷和原ICから国道294号~県道3号線で約15分
つくばエクスプレス、関東鉄道常総線「守谷駅」よりバスで30分

森永利根工場内部の様子1

施設内では森永乳業が50年以上研究を続けているビフィズス菌に焦点を当てた展示が充実しており、ビフィズス菌の働きや自社ヨーグルト商品『ビヒダスヨーグルト』の製造工程をパズルや大型模型を通じて楽しく学ぶことができます。

また、見学通路越しにカップタイプやドリンクタイプのヨーグルト製造ラインの一部を間近に見ることができ、実際に工場で使われているエアシャワー(体に付着した埃を除去する設備)の体験も用意されています。 見学ツアーの最後には森永乳業のヨーグルトを試食でき、お土産まで用意されている点も嬉しいポイントです。

森永利根工場内部の様子2

「利根工場見学では、日常生活の中にある森永乳業の商品をテーマにした展示エリア『M’s(エムズ)ルーム』を設けています。お子さまにも楽しんでいただけるよう、クイズや遊びの要素を取り入れた体験型の空間づくりを心がけました」(利根工場見学担当:石原さん)

また同社は、「次世代を担う子どもたちの成長支援企業」として学校教育への協力にも積極的です。学習指導要領に基づくプログラムを提供し、衛生管理や高品質なものづくりの工夫をインタラクティブに学べる機会を創出しています。

実際、夏休みなど長期休暇中には一般向けの特別プログラムも開催し、「お客さまとの直接のコミュニケーションを通じて、森永乳業の企業姿勢や想いを伝えることができればと考えています」(石原さん)。地域や消費者との触れ合いを大切にしたこうしたサステナビリティ活動が、同社ブランドへの親近感や信頼感を高めていると言えるでしょう。

成長ドライバーは「菌体」「海外育児用ミルク」「ヨーグルト」「アイス」

森永乳業は新中期経営計画の成長戦略として、自社の強みに集中すべく4つのカテゴリー―「菌体」「海外育児用ミルク」「ヨーグルト」「アイス」を成長ドライバーに位置づけ、経営資源を重点投下しています。

例えばヨーグルトでは、主力ブランド『ビヒダス』と濃密ギリシャヨーグルト『パルテノ』にリソースを集中。「ビヒダス」ブランドは強みであるビフィズス菌のPR強化や新たな機能性の追求により拡大を図り、「パルテノ」は需要過多で生産が追いつかなかった状況を改善すべく設備増強など供給体制を強化する方針です。またアイスでは国内トップシェア獲得と輸出拡大に挑戦すべく、国内外・業務用・家庭用の垣根を越えた商品開発でスピーディーな展開を目指しています。

中でも注目は「菌体」分野です。森永乳業グループは長年培ったビフィズス菌をはじめ様々な機能性素材を扱っていますが、世界的にも独自性の高いビフィズス菌に資源を集中し売上高の倍増を狙う戦略を明確にしています。

2025年4月には菌体事業の販売組織を再編し、国内外一体のグローバル販売体制を整備。重点市場で販路拡大を図る考えです。さらにシールド乳酸菌®など殺菌乳酸菌素材の研究開発や新たなエビデンス取得にも注力し、知的財産・法務などバックオフィス機能の強化も進めています。これらにより、菌体関連事業については今後数年間で売上高 倍増という野心的な目標を掲げています。

なお同社は2026年3月期(新中計初年度)に、これら成長4領域合計で売上高1,275億円(前期比+8.6%)、営業利益151億円(同+13億円)を計画しており、以降も高成長を見込んでいます(※会社計画より)。高収益分野へのシフトが進めば、これまで原価率が高く利益率の低い構造に悩まされてきた同社の収益性改善につながる点に投資家からも期待が寄せられます。

投資家視点のヒント

  1. 経営資源を強みの領域に集中し、高付加価値商品にシフトする企業は利益率向上による将来的な成長力が期待できます。選択と集中の戦略は市場からもポジティブに評価されやすいでしょう。

海外市場での再成長に注力――菌体と育児用ミルクが牽引

森永乳業は近年、海外事業の強化にも力を入れています。2025年3月期の海外売上高比率は12.5%まで上昇し、「森永乳業グループ10年ビジョン」では海外売上比率15%以上(2029年3月期目標)を掲げるなど、さらなるグローバル展開を見据えています。

海外事業の安定収益源となっているのがドイツのMILEI社による乳素材(ホエイプロテインやラクトフェリンなど)の販売です。同社は世界トップクラスのラクトフェリン供給能力でグローバル需要を捉えており、これが海外売上の下支えとなっています。一方で成長ドライバーとして期待されるのが、前述の菌体ビジネスと育児用ミルクの新興国展開です。

菌体については、健康志向が高まる北米や中国市場での販売拡大を目指し、現地のサプリメントメーカーや乳業メーカー等への提案を強化しています。育児用ミルクについては、パキスタンやアジア諸国での市場開拓がポイントです。特にパキスタンでは2019年から現地工場での生産を開始し、輸入品に比べたコスト競争力を武器にシェア拡大に注力しています。

2026年3月期にはパキスタン子会社NutriCo Morinagaの売上高を現地通貨ベースで前年から10%増と見込んでおり、高水準で推移する出生数を背景に成長期待は不変としています。長年にわたる事業実績によるブランド浸透もあり、海外育児用ミルク事業は同社の再成長を牽引する柱の一つとなっています。

こうした取り組みにより、海外事業全体の営業利益は2026年3月期に113億円(前年比+38億円)と大幅増益を計画しています(会社発表)。海外比率こそまだ低いものの、グローバル展開の加速によって事業ポートフォリオの多様化と成長余地の拡大が期待されるでしょう。

投資家視点のヒント

  1. 新興国を含む海外市場への積極展開は収益源の多様化と成長加速につながります。現地ニーズに合わせて事業を展開できる企業は、中長期的にグローバル成長力を高め、投資先としての魅力も増大する傾向があります。

収益性と資本効率を両立する「メリハリ」経営へ

2025年からスタートした「中期経営計画2025-28」では、「もう一歩先のありたい姿」として「大きな特徴を持ち、利益率の高い企業へ」なることを目指し、戦略的な経営改革が打ち出されています。キーワードは「メリハリ」。

従来の全方位型から重点投資型へと舵を切り、前述の成長領域への資源集中(成長戦略)に加え、組織再構築や生産体制再編による効率向上(構造改革)、そして社員の意識改革(組織風土改革)に取り組みます。具体的にはマーケティング本部や機能素材事業本部の新設、バイオティクス研究所の設立、財務本部の独立など組織面での再編を行い、効率性を高めると同時に事業成長を加速させ、さらには投資の実効性の向上を図ります。

経営指標面でも変化があります。これまでは売上や利益成長に注力してきましたが、新中計ではROIC(投下資本利益率)を新たに全社目標に据え、社内の資本コスト意識を醸成する方針です。あわせて社員エンゲージメントレーティングの向上も目標に掲げ、働きがい改革にも踏み込んでいます。

数値目標としては、2029年3月期に営業利益率7%以上・ROE10%以上・海外売上高比率15%以上・ROIC7%以上を達成する計画です。これは2025年3月期実績(営業利益率5.3%、ROE7.0%、海外比率12.3%)から見るとハードルは高いものの、「成長領域のポテンシャルに自信があるからこそ設定した」としています。

さらに株主還元方針も強化されました。配当性向目標を従来の30%から40%へ引き上げ、2026年3月期には最大100億円の自己株式取得(自社株買い)を実施予定と発表しています。実は同社は2024年3月期・2025年3月期にもそれぞれ約100億円規模の自社株買いを行っており、今回で3期連続の大型買いとなる見込みです。安定配当に加え機動的な株主還元策を継続する姿勢は、投資家にとって安心材料と言えるでしょう。

投資家視点のヒント

  1. 収益性(利益率)向上と資本効率(ROICなど)重視の経営は、持続的な企業価値向上につながりやすく、市場からも好意的に受け止められます。また、配当性向引き上げや自社株買いの継続といった積極的な株主還元策は、株式の魅力を高め長期投資を後押しするポイントになります。

森永乳業は長期投資向き?最新業績と株価のポイントをやさしく解説

乳製品メーカーとして馴染み深い森永乳業ですが、ここまで見てきたように機能性素材の研究開発力や海外展開への挑戦、利益体質の改善策など将来を見据えた戦略を持ち合わせており、初心者にも注目される投資先の一つとなりつつあります。

2025年7月25日時点の株価は概ね3,300円前後で、会社予想ベースの予想PERは約14.4倍、PBRは約1.0倍と、企業価値に対して割高感のない水準です(配当利回りは約2.8%)。自己資本比率も50%前後と財務基盤は良好で、長期投資において安心感があります。

また直近の業績を見ると、2025年3月期は売上高5,611億円(前年比+2.6%)、営業利益296億円(+6.5%)と増収増益を達成しました。原材料価格の上昇など逆風下でも、ヨーグルトや機能素材といった重点分野が収益を牽引し、着実な成長を示しています。最終利益は前期にあった特殊要因(※)の反動で一時的に減少しましたが、これも織り込まれた上で同社は新中計初年度から増益基調に戻る計画です。

さらに2025年5月には自社株買い最大100億円の実施が公表されるなど、株主還元の強化も株価下支え要因となっています。研究開発型の事業ゆえESG面(社会課題への貢献)にも積極的で、ビフィズス菌MCC1274の認知機能改善効果に関する製品上市など、ヘルスケア領域への展開も魅力です。これら定性・定量両面 から、森永乳業の株式は長期目線で保有する魅力がじわじわと増しているように感じられます。

一方で留意すべきリスクもあります。牛乳をはじめとする原料価格の高騰や為替変動は利益率を圧迫する可能性があり、また国内市場では少子高齢化による需要構造の変化が避けられません。実際、森永乳業自身も人口動態の変化による市場縮小や高コスト体質(低利益率)、老朽化設備への対応などを経営課題に挙げています。

加えて、現時点で海外比率が1割強と事業構造の大半を国内が占めるため、海外展開が計画通り進まなければ成長余地が限定的になる恐れもあります。株価指標面ではPER14倍前後と割安に見える反面、大幅な上昇には業績のさらなる底上げが必要とも言えます。投資初心者の方は、こうしたリスクとリターンの要素を踏まえた上で、自身の投資判断基準を整理することが大切です。

※前期(2024年3月期)に保有していた他社株式売却益を計上していたため純利益が膨らんでおり、その反動で2025年3月期は減益となりました。

決算期売上高(億円)営業利益(億円)当期純利益(億円)EPS(円)1株配当(円)
2023年3月期5,256239168373.1545
2024年3月期5,470278613696.9260
2025年3月期5,6112965464.6090(予)
森永乳業の業績

注1:2024年3月期は保有していた工場跡地売却による特別利益が657億円されています。 注2:2025年3月期の純利益急減は注1の要因の他、海外子会社における減損損失等が201億円計上されたことなどによるものです。

この記事のまとめ

森永乳業は、ビフィズス菌の長年の研究に裏打ちされた高い技術力と、育児用ミルクやヨーグルト分野で築いた確かなブランド力、さらに安定した財務基盤に加え、ESGや株主還元にも積極的に取り組む魅力的な企業です。現在の株価はPER約14倍とバリュエーション面でも注目に値し、将来の成長に対する期待感も高まります。もちろん、原料価格の高騰や国内市場の変化といった課題もありますが、それにどう向き合い、乗り越えようとしているかを見ることで、長期的な視点から納得感ある投資判断につながるでしょう。

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ライター丹羽桃子
丹羽桃子

ライター

1988年、岐阜県生まれ。 信州大学農学部応用生命科学科卒業。 食品メーカーにて生産管理やOEM先管理に携わり、現在はフリーライターとして活動。経済系や環境系、育児系などを幅広い分野で執筆。学生時代から工場見学が趣味で、訪問回数は500回を超える。工場見学マニアとしても、記事監修や執筆、メディア出演なども行う。台湾高雄に5年間在住経験あり。

1988年、岐阜県生まれ。 信州大学農学部応用生命科学科卒業。 食品メーカーにて生産管理やOEM先管理に携わり、現在はフリーライターとして活動。経済系や環境系、育児系などを幅広い分野で執筆。学生時代から工場見学が趣味で、訪問回数は500回を超える。工場見学マニアとしても、記事監修や執筆、メディア出演なども行う。台湾高雄に5年間在住経験あり。

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