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エンジェル税制

エンジェル税制のメリットとは?節税効果や利用すべき人の特徴をわかりやすく解説

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執筆者:

公開:

2024.07.30

更新:

2024.12.11

基礎知識節税

目次

エンジェル税制とは

エンジェル税制で投資家が受けられる優遇措置の種類

エンジェル税制で軽減できる税金をシミュレーション

エンジェル税制を利用するための要件

エンジェル税制を利用するための投資家の要件

投資対象企業の要件

投資家・起業家がエンジェル税制を利用するメリット

節税しながら将来有望なスタートアップ企業に投資できる

売却損が出てもほかの株式譲渡益と相殺できる

連続起業するときに税負担を軽減できる

投資家がエンジェル税制を利用するデメリット

優遇措置A・優遇措置Bは課税の繰り延べなので非課税にはならない

手続きが煩雑

エンジェル投資をする方法

企業への直接投資

認定投資事業有限責任組合(LPS)経由

認定少額電子募集取扱業者(ECF)・株式投資型クラウドファンディング経由

エンジェル税制活用の流れ

まとめ

エンジェル税制とは、スタートアップ企業への投資を促進するために設けられた税制優遇制度です。投資家は節税メリット、スタートアップ企業は投資家から資金調達がしやすくなるというメリットを受けられます。

エンジェル税制を利用すれば、投資額をその年の総所得金額や株式譲渡益から控除できるメリットがあります。総所得金額が多く税負担を重く感じている方や、株式投資・自社株式の売却で大きな利益を得た方にとって、エンジェル税制は活用を検討する価値がある制度といえるでしょう。

こちらの記事では、エンジェル税制の仕組みや利用するための条件、メリットなどを解説します。エンジェル税制に興味を持っている方に役立つ内容となっているので、ぜひ参考にしてみてください。

エンジェル税制とは

エンジェル税制とは、スタートアップ企業への投資を促進するための制度です。投資額に応じて投資家の税負担を軽減することでスタートアップ企業への投資を促進し、スタートアップ企業の資金調達やイノベーションの支援を行う目的があります。

エンジェル税制には、いくつか優遇措置の種類が用意されています。また対象企業の状態によって選べる優遇措置が異なり、エンジェル税制を利用する際には、投資家が自身の判断で優遇措置を選択して申請しなければなりません。

投資家の状況によって「どの措置を選択するのがベストなのか」異なるため、優遇措置の内容をきちんと理解しましょう。

エンジェル税制で投資家が受けられる優遇措置の種類

エンジェル税制には、「優遇措置A」「優遇措置B」「プレシード・シード特例」「起業特例」の4つがあります。それぞれの枠組みが向いている方の特徴は、以下のとおりです。

向いている人の特徴

  1. 優遇措置A:収入が多くスタートアップ企業への投資を検討している方
  2. 優遇措置B:株式で多額の利益が出ておりスタートアップ企業への投資を検討している方、ストックオプションを行使して多額の株式譲渡益を得た方
  3. プレシード・シード特例:株式で多額の利益が出ておりスタートアップ企業への投資を検討している方、ストックオプションを行使して多額の株式譲渡益を得た方
  4. 起業特例:連続起業を検討している方

各措置の内容を表でまとめると、下表のようになります。

措置の種類控除対象控除先措置内容控除上限額企業の
設立年数
外部
資本比率
優遇措置A対象企業への投資額全額 - 2,000円その年の総所得金額から控除課税の
繰り延べ
総所得金額×40% か 800万円の低い方5年未満1/6以上
優遇措置B対象企業への投資額全額その年の株式譲渡益から控除課税の
繰り延べ
上限なし10年未満1/6以上
プレシード
・シード特例
対象企業への投資額全額その年の株式譲渡益から控除非課税上限なし
(非課税となるのは20億円の出資までで、それを超える分は課税繰延)
5年未満1/20以上
起業特例企業設立時の自己資金による出資額全額その年の株式譲渡益から控除非課税上限なし
(非課税となるのは20億円の出資までで、それを超える分は課税繰延)
1年未満1/100以上

優遇措置Aは、スタートアップ企業への投資額をその年の総所得金額から控除する措置です。所得水準が高く、税負担が重いと感じている方に向いています。

優遇措置Bとプレシード・シード特例は、スタートアップ企業への投資額をその年の株式譲渡益から控除できる措置です。特に優遇措置Bは控除上限額に定めがないため、税負担を抑える効果が大きい点が特徴です。株式売買を頻繁に行っている方や、特定の年にまとまった売却益を得られたという方に向いています。

なお、優遇措置Bで受けられる優遇措置は「課税の繰り延べ」ですが、プレシード・シード特例では20億円までが「非課税」となります。プレシード・シード特例のほうが、投資家にとって有利な制度といえるでしょう。

起業特例は、企業設立時の自己資金による出資額が、その年の株式譲渡益から控除される措置です。起業した年に多額の株式譲渡益があるときや、会社をイグジットして得た売却益を元手に連続起業するときに活用するとよいでしょう。

エンジェル税制で軽減できる税金をシミュレーション

実際に、エンジェル税制を活用してどの程度の税金を軽減できるのかシミュレーションしてみましょう。

シミュレーション条件①

  1. 総所得金額1,200万円
  2. 上場株式の売却益:300万円
  3. エンジェル税制適用会社への投資額:300万円

シミュレーション条件②

  1. 総所得金額:800万円
  2. 上場株式の売却益:700万円
  3. エンジェル税制適用会社への投資額:600万円

上記の内容でエンジェル投資を行った場合、以下のような結果となります。

利用した優遇措置条件①の所得税額条件②の所得税額
エンジェル税制不使用時2,772,577円2,188,565円
優遇措置A1,811,204円
(軽減額:961,373円)
1,518,074円
(軽減額:670,491円)
優遇措置B2,313,177円
(軽減額:459,400円)
1,269,665円
(軽減額:918,900円)
プレシード・シード特例2,313,177円
(軽減額:459,400円)
1,269,665円
(軽減額:918,900円)

※税額には復興特別所得税を含む

エンジェル投資を行う場合と行わない場合では、納める税額に数十万円以上の差が発生することもあります。総所得金額が多い方や上場株式の売却益が多く発生している方は、エンジェル税制の活用を検討してみてください。

なお、起業特例はスタートアップ企業へ投資したときではなく、自ら会社を設立した際の出資額について、設立した年の株式譲渡益から控除する制度です。

例えば、以下のようなケースでの結果をシミュレーションしてみましょう。

企業特例のシミュレーション条件

  1. 総所得金額:1,000万円
  2. 株式譲渡益:2,000万円
  3. 会社設立時の出資金:2,000万円
 条件  所得税額 
エンジェル税制不使用時の所得
税額(復興特別所得税額含む)
4,702,317円
起業特例を
利用時の所得税額
1,639,317円
(軽減額:3,063,000円)

起業特例では、その年の株式譲渡益を20億円まで非課税にできます。上記のケースでは、株式譲渡益が全額非課税となるため、300万円以上の節税効果を見込めます。

エンジェル税制を利用するための要件

エンジェル税制を利用するためには、投資家と投資対象企業がそれぞれ要件をクリアする必要があります。

エンジェル税制を利用するための投資家の要件

エンジェル税制を利用するにあたって、投資家が満たすべき要件は以下のとおりです。

  • 金銭の払込みにより、対象企業が新規に発行した株式を取得していること(現金出資により株式を取得した場合、新規に発行した株式を取得した場合)
  • 対象企業が同族会社の場合は、同族会社判定の基礎となる株主ないし株主グループに属さないこと(対象企業が同族会社ではない)

出典:東京都産業労働局「エンジェル税制のご案内」

エンジェル税制の適用を受ける際には、払込みをした日時点で上記の要件を満たす必要があります。金銭の払い込みで株式を取得する必要があるため、他人から譲受した株式に関してはエンジェル税制の対象外です。

投資対象企業の要件

投資対象となるスタートアップ企業は、以下の要件を満たす必要があります。

投資対象となるスタートアップ企業の要件

  1. 特定の株主ないし特定の株主グループの保有する株式数の割合(持株割合)が5/6を超えないこと
  2. 大規模法人ないし大規模法人グループの所有に属さないこと
  3. 特定の株主ないし特定の株主グループの保有する株式数の割合(持株割合)が5/6を超えないこと
  4. 大規模法人ないし大規模法人グループの所有に属さないこと
  5. 中小企業であること
  6. 未登録・未上場の株式会社であること
  7. 風俗営業等に該当する事業を行う会社でないこと
  8. 企業の設立経過年数に応じた要件を満たすこと

スタートアップ企業によっては、経済産業省の「事前確認制度」を利用して自社がエンジェル税制の対象か確認を受けています。事前確認制度を経てエンジェル税制適用企業であることを確認できた企業は経済産業省のホームページで公表されているため、確認してみるとよいでしょう。

投資家・起業家がエンジェル税制を利用するメリット

投資家・起業家がエンジェル税制を利用することで、さまざまな経済的メリットを受けられます。

以下で、具体的なメリットを解説します。

節税しながら将来有望なスタートアップ企業に投資できる

エンジェル税制を活用すれば、節税しながら将来有望なスタートアップ企業に投資できます。投資した金額が、その年の総所得金額か株式譲渡益から控除されるため、投資をしながら税負担を軽くすることが可能です。

高収入で課税所得が高い方や株式売買で多額の譲渡益を得た方は、税負担が重くなります。エンジェル税制を利用すればその年の所得または譲渡益を圧縮できるため、高所得者・株式トレーダーの方は活用を検討するとよいでしょう。

売却損が出てもほかの株式譲渡益と相殺できる

スタートアップ企業への投資は高い成長率が期待できる一方で、企業が破綻して事業が継続できなくなってしまうリスクがあります。投資した企業が破綻すると、投資したお金は戻ってこないため損失が発生します。

エンジェル税制を通じてスタートアップ企業へ投資しても、IPOやM&Aに至らないばかりか、損失が発生するリスクも考えられるでしょう。しかし、エンジェル税制を活用すれば、投資先企業が破綻しても、発生した損失を他の株式譲渡益と相殺できます。

同じ年の中で相殺しきれない損失がある場合は、損失を最大3年間繰り越せます。上場株式のような損益通算と繰越控除の仕組みがあるため、リスクを抑えて投資できる点はエンジェル投資のメリットです。

連続起業するときに税負担を軽減できる

起業特例を活用すれば、連続起業するときに税負担を軽減できます。起業特例とは、会社設立の際の出資額を設立した年の株式譲渡益から最大20億円控除し、非課税とする措置です。

経営している会社をイグジットして株式を売却すると、多額の売却益を得られる可能性がある一方で、多くの納税額が発生しかねません。売却した同年に法人を設立して起業特例を利用すれば、得られた売却益から出資額を控除できるため、税負担を軽減しながら連続起業できます。

売却益が20億円以内の場合は、理論上は税負担をゼロにすることが可能です。会社のイグジットと連続企業を検討している方にとって、大きなメリットがある枠組みといえるでしょう。

投資家がエンジェル税制を利用するデメリット

エンジェル税制を利用するメリットがある一方で、いくつか知っておくべきデメリットもあります。

以下で、投資家がエンジェル税制を利用するデメリットを解説します。

優遇措置A・優遇措置Bは課税の繰り延べなので非課税にはならない

優遇措置A・優遇措置Bで受けられるのは「課税の繰り延べ」です。つまり、税金を支払うタイミングを後回しにするだけであり、厳密にいえば節税ではありません。

例えば、優遇措置Bを利用した場合、以下のような流れで取得価額の調整が行われます。

【エンジェル投資をしたとき】

  • 投資をした年の株式譲渡益:3,000万円
  • エンジェル税制対象企業への投資額:1,000万円
  • 株式譲渡益から控除できる金額:1,000万円
  • 納税額:(3,000万円-1,000万円)×
    税率

【将来的に株式を5,000万円で売却したとき】

  • 株式譲渡益=株式の売却益-株式の取得価額で計算するが、株式の取得価額は「株式への投資額-株式譲渡益から控除された金額」となる
  • 株式譲渡益は「5,000万円-(1,000万円-1,000万円)=5,000万円」となる(投資をしたときに控除された金額を持ち戻して税額を計算する)

つまり上記のケースでは、投資をした年に課税されるはずだった1,000万円が売却時に持ち越されたことになります。優遇措置Aと優遇措置Bの場合は、あくまでも税金を納めるタイミングが後になるだけ、という点を押さえておきましょう。

利益が出なかった場合は、結果的に将来発生する損失の一部を先立って計上する形になります。譲渡損失が発生した場合、投資した年に受けた控除対象金額のうち、課税繰延分を取得価額から差し引いて売却損失を計算するためです。

例えば、800万円をエンジェル投資に充てたあとに損失が発生し、500万円に目減りしてしまったケースで考えてみましょう。この場合、最終的には500万円分に課税されますが、課税繰延分が取得価額から差し引かれるため、その分売却時の損失が減少しています。

結果的に、エンジェル投資を行ったときに損金計上した場合と同様の効果しか得られず、実質的な節税額はわずかとなる点に注意しましょう。

一方で、プレシード・シード特例と起業特例では、課税の繰り延べではなく非課税になるため純粋な節税メリットを受けられます。節税メリットを最大限受けたい場合は、プレシード・シード特例か起業特例の活用を検討しましょう。

手続きが煩雑

エンジェル税制で課税の繰り延べや節税のメリットを受けるためには、確定申告が必要です。

例えば、確定申告時には以下の書類を提出しなければなりません。

確定申告時に必要な書類

  1. 都道府県知事の確認書又は認定投資事業有限責任組合が発行した確認書及び認定証の写し、若しくは認定少額電子募集取扱業者が発行した確認書及び認定証の写し
  2. 発行会社が交付する一定の株主に該当しない旨の確認書
  3. 株式投資契約書の写し
  4. 株式異動状況明細書
  5. 株式の譲渡等に関する書類
  6. 清算結了の登記事項証明書、破産手続開始の決定の公告等
  7. 株式等に係る譲渡所得税等の金額計算明細書(特定権利行使株式及び特定投資株式分がある場合)
  8. 特定(新規)中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除の明細書
  9. 所得所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(特定投資株式に係る譲渡損失の計算及び繰越控除用)
  10. 特定新規中小会社が発行した株式の取得に要した金額の寄附金控除額の計算明細書

選択する措置によって必要書類は異なります。エンジェル投資を受ける際には、煩雑な確定申告を行う必要がある点に留意しましょう。

エンジェル投資をする方法

実際にエンジェル投資をする方法は、企業への直接投資だけでなく株式投資型クラウドファンディングを利用する方法もあります。

以下で、具体的な投資方法を解説します。

企業への直接投資

企業への直接投資とは、投資家が直接エンジェル税制対象企業の株式を取得する方法です。企業に対して直接株式を購入する申し込みを行い、払込取扱金融機関に払い込みをします。

直接企業に投資してエンジェル税制を受ける場合

投資した企業が都道府県に対して確認申請を行い、その後に都道府県から企業を経由して投資家に対して確認書が交付されます。

確認書は確定申告で必要となるため、大切に保管しましょう。

認定投資事業有限責任組合(LPS)経由

経済産業大臣の認定を受けた「認定投資事業有限責任組合(LPS)」を経由して、エンジェル税制対象企業の株式を取得する方法があります。

LPS経由で投資してエンジェル税制を受ける場合

LPSに出資金の払い込みを行い、LPSと投資先企業のやり取りを経たあとに個人投資家へ確認書が交付されます。なお、認定を受けたLPSは中小企業庁のホームページで確認可能です。

認定少額電子募集取扱業者(ECF)・株式投資型クラウドファンディング経由

経済産業大臣の認定を受けた「認定少額電子募集取扱業者(ECF)」を経由して、エンジェル税制対象企業の株式を取得する方法があります。2020年からは、株式投資型クラウドファンディング事業者がECFに加わりました。

ECF経由で投資してエンジェル税制を受ける場合

ECFに出資金の払い込みを行い、ECFと投資先企業のやり取りを経たあとに個人投資家へ確認書が交付されます。

エンジェル税制活用の流れ

どの方法でエンジェル投資を行う場合でも、投資家がエンジェル税制を活用する際の流れは以下のとおりです。

  1. 投資家が投資する
  2. 企業(LPS・ECF)から確認書が交付される
  3. 投資家は確定申告する

確定申告で必要となる書類は、経済産業省の資料で確認できます。必要書類は投資方法によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

まとめ

エンジェル税制を利用すれば、税負担を軽減しながら将来有望なスタートアップ企業へ投資できます。スタートアップ企業への投資を検討している方にとって、有効活用すべき制度といえるでしょう。

税負担を軽減できるだけでなく、投資したスタートアップ企業が成長すれば大きな利益を得られる可能性があります。LPSや株式投資型クラウドファンディングを活用すればエンジェル税制対象企業を効率よく探せるため、情報を集めてみるとよいでしょう。

また、プレシード・シード特例と起業特例を利用すれば最大20億円の株式譲渡益を非課税にできます。スタートアップ企業への投資を検討している方やストックオプションを行使して多額の株式譲渡益を得た方、連続起業を検討している方はエンジェル投資を検討してみてはいかがでしょうか。

mitsuki-shibata

柴田充輝

金融系ライター

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。

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エンジェル税制

エンジェル税制とは、個人投資家が投資時・株式売却時に受けることができる税制上の優遇措置を定めた税制。ベンチャー企業に対する投資の促進を図る観点から国税庁によって定められている。ベンチャー企業に投資した年、未上場ベンチャー企業株式を売却して売却損益が発生した年にそれぞれ優遇措置を受けることができる。

プレシード

プレシードとは企業の発展の段階や資金調達が「シード」よりも前の段階であることを意味しています。発展の段階の場合はプレシードステージ、資金調達の場合はプレシードラウンド(別名エンジェルラウンド)と呼びます。 プレシードステージとは、スタートアップにおける成長の最初の段階で、創業前後にアイデアを形にする時期です。 プレシードステージで行う資金調達をプレシードラウンドいい、創業前後の段階で行われる資金調達の初期ラウンドを指します。アイデアやコンセプトを具体化するための資金を集めることが目的としており、一般的に、エンジェル投資家や親族、友人からの投資が主な資金源となります。

シード

スタートアップ企業は成長度合いによって「シード」「アーリー」「ミドル」「レイター」と4つのステージに分類されます。 シードステージとは、ビジネスモデルの確立や市場検証といった活動を中心として行い、収益化に向けた取り組みが進み始めます。 シードステージにおける資金調達をシードラウンドと呼びます。シードラウンドで得られた資金は、プロトタイプ制作や市場テスト、初期のマーケティング活動などに利用され、投資家は主にエンジェル投資家やベンチャーキャピタルが中心となります。

スタートアップ

スタートアップとは、新たなビジネスを立ち上げる企業で、特に革新性や成長のポテンシャルが求められます。通常、テクノロジー関連のアイデアやサービスを基にした企業が多く、迅速な成長を目指します。 成長度合いにより、4つのステージに大別され、シードステージ、アーリーステージ、ミドルステージ、レイターステージの順に成長したことを示します。

認定投資事業有限責任組合(認定LPS)

投資事業有限責任組合(LPS:Limited PartnerShip)は、主に非上場スタートアップ企業への投資活動を行うためにベンチャーキャピタルを中心に金融機関等が組成する、法人格を持たない「投資事業組合」の1種です。 認定投資事業有限責任組合(認定LPS)は、LPSのうち、エンジェル税制の実施に当たり、経済産業省の認定を受けたものを指します。 認定LPS経由でエンジェル投資を行うと、エンジェル税制の対象となり税制優遇措置が受けることが可能です。

課税の繰り延べ

課税の繰り延べとは、税制の特例措置などを利用した場合に、課税を将来に先送りすることをいいます。 設備投資やエンジェル投資など、多額のキャッシュアウトが発生する場合、そこに課税されると瞬間的な費用負担が大きくなるという問題があります。課税を繰り延べることにより、キャッシュアウトを分散させることでキャッシュフローが安定する、という効果があります。 ただし、あくまでも先送りであって将来納税負担があることや、適用条件が様々に付与されていることに注意が必要です。

エンジェル投資家

エンジェル投資家とは、創業間もないスタートアップ企業に対して投資をする個人投資家のことです。スタートアップ企業の株式の価値がまだ低いときに、将来性を見込んで株式を取得し、市場価値が高まりEXITをする際に株式を売却することで大きなキャピタルゲインを得ることを目的としています。 エンジェル投資家は、金銭面だけでなく、経営のノウハウや人脈なども提供し、スタートアップ企業の成長を支援する場合があります。

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