エンジェル税制とは?節税効果や優遇措置A/B、プレシード・シード特例の違いと、確定申告まで徹底解説

エンジェル税制とは?節税効果や優遇措置A/B、プレシード・シード特例の違いと、確定申告まで徹底解説
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公開:
2024.07.30
更新:
2025.12.30
スタートアップ投資を検討する中で、「エンジェル税制は本当に節税になるのか」「どの優遇措置を選ぶべきか」と迷う方は少なくありません。制度には非課税と課税の繰り延べが混在しており、仕組みを誤解すると将来の売却時に想定外の税負担が生じる可能性もあります。本記事では、4つの優遇措置の違いを軸に、控除の仕組み、適用要件、確定申告までを整理し、自分に合う制度を判断するための視点を解説します。
サクッとわかる!簡単要約
本記事は、スタートアップ投資で使えるエンジェル税制について、優遇措置A・Bとプレシード・シード特例、起業特例の違いを比較し、控除先・上限・要件・確定申告の実務まで整理します。節税になるのか、課税の繰り延べで将来負担が出るのかを見極めたい検索ニーズに対し、所得や株式譲渡益の状況別に向き不向きと判断軸を提示し、制度選択と準備を具体化できる価値を提供します。
エンジェル税制とは?エンジェル投資を税制優遇し促進する仕組み
エンジェル税制とは、スタートアップ企業への投資を促進するための制度です。投資額に応じて投資家の税負担を軽減することでスタートアップ企業への投資を促進し、スタートアップ企業の資金調達やイノベーションの支援を行う目的があります。
エンジェル税制には、いくつか優遇措置の種類が用意されています。また対象企業の状態によって選べる優遇措置が異なり、エンジェル税制を利用する際には、投資家が自身の判断で優遇措置を選択して申請しなければなりません。
投資家の状況によって「どの措置を選択するのがベストなのか」異なるため、優遇措置の内容をきちんと理解しましょう。
エンジェル税制で投資家が受けられる優遇措置の種類
エンジェル税制には、「優遇措置A」「優遇措置B」「プレシード・シード特例」「起業特例」の4つがあります。それぞれの枠組みが向いている方の特徴は、以下のとおりです。
向いている人の特徴
- 優遇措置A:収入が多くスタートアップ企業への投資を検討している方
- 優遇措置B:株式で多額の利益が出ておりスタートアップ企業への投資を検討している方、ストックオプションを行使して多額の株式譲渡益を得た方
- プレシード・シード特例:株式で多額の利益が出ておりスタートアップ企業への投資を検討している方、ストックオプションを行使して多額の株式譲渡益を得た方
- 起業特例:連続起業を検討している方
各措置の内容を表でまとめると、下表のようになります。
| 措置の種類 | 控除対象 | 控除先 | 措置内容 | 控除上限額 | 企業の 設立年数 | 外部 資本比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 優遇措置A | 対象企業への投資額全額 - 2,000円 | その年の総所得金額から控除 | 課税の 繰り延べ | 総所得金額×40% か 800万円の低い方 | 5年未満 | 1/6以上 |
| 優遇措置B | 対象企業への投資額全額 | その年の株式譲渡益から控除 | 課税の 繰り延べ | 上限なし | 10年未満 | 1/6以上 |
| プレシード ・シード特例 | 対象企業への投資額全額 | その年の株式譲渡益から控除 | 非課税 | 上限なし (非課税となるのは20億円の出資までで、それを超える分は課税繰延) | 5年未満 | 1/20以上 |
| 起業特例 | 企業設立時の自己資金による出資額全額 | その年の株式譲渡益から控除 | 非課税 | 上限なし (非課税となるのは20億円の出資までで、それを超える分は課税繰延) | 1年未満 | 1/100以上 |
優遇措置Aは、スタートアップ企業への投資額をその年の総所得金額から控除する措置です。所得水準が高く、税負担が重いと感じている方に向いています。
優遇措置Bとプレシード・シード特例は、スタートアップ企業への投資額をその年の株式譲渡益から控除できる措置です。特に優遇措置Bは控除上限額に定めがないため、税負担を抑える効果が大きい点が特徴です。株式売買を頻繁に行っている方や、特定の年にまとまった売却益を得られたという方に向いています。
なお、優遇措置Bで受けられる優遇措置は「課税の繰り延べ」ですが、プレシード・シード特例では20億円までが「非課税」となります。プレシード・シード特例のほうが、投資家にとって有利な制度といえるでしょう。
起業特例は、企業設立時の自己資金による出資額が、その年の株式譲渡益から控除される措置です。起業した年に多額の株式譲渡益があるときや、会社をイグジットして得た売却益を元手に連続起業するときに活用するとよいでしょう。
エンジェル税制で軽減できる税金をシミュレーション
実際に、エンジェル税制を活用してどの程度の税金を軽減できるのかシミュレーションしてみましょう。
シミュレーション条件①
- 総所得金額1,200万円
- 上場株式の売却益:300万円
- エンジェル税制適用会社への投資額:300万円
シミュレーション条件②
- 総所得金額:800万円
- 上場株式の売却益:700万円
- エンジェル税制適用会社への投資額:600万円
上記の内容でエンジェル投資を行った場合、以下のような結果となります。
| 利用した 優遇措置 | 条件①の 所得税額 | 条件②の 所得税額 |
|---|---|---|
| エンジェル税制 不使用時 | 2,772,577円 | 2,188,565円 |
| 優遇措置A | 1,811,204円 (軽減額:961,373円) | 1,518,074円 (軽減額:670,491円) |
| 優遇措置B | 2,313,177円 (軽減額:459,400円) | 1,269,665円 (軽減額:918,900円) |
| プレシード ・シード特例 | 2,313,177円 (軽減額:459,400円) | 1,269,665円 (軽減額:918,900円) |
※税額には復興特別所得税を含む
エンジェル投資を行う場合と行わない場合では、納める税額に数十万円以上の差が発生することもあります。総所得金額が多い方や上場株式の売却益が多く発生している方は、エンジェル税制の活用を検討してみてください。
なお、起業特例はスタートアップ企業へ投資したときではなく、自ら会社を設立した際の出資額について、設立した年の株式譲渡益から控除する制度です。
例えば、以下のようなケースでの結果をシミュレーションしてみましょう。
企業特例のシミュレーション条件
- 総所得金額:1,000万円
- 株式譲渡益:2,000万円
- 会社設立時の出資金:2,000万円
| 条件 | 所得税額 |
|---|---|
| エンジェル税制不使用時の所得 税額(復興特別所得税額含む) | 4,702,317円 |
| 起業特例を 利用時の所得税額 | 1,639,317円 (軽減額:3,063,000円) |
起業特例では、その年の株式譲渡益を20億円まで非課税にできます。上記のケースでは、株式譲渡益が全額非課税となるため、300万円以上の節税効果を見込めます。
注意:この制度は「非課税」と「課税の繰り延べ」が混在する
エンジェル税制を利用するうえで最も誤解されやすいのが、税金が免除されるのか、それとも先送りされるだけなのかという点です。優遇措置の種類によってこの性質は異なり、ここを混同すると将来の課税タイミングで想定外の負担が生じる恐れがあります。制度を選ぶ際は、単なる当年の手取り額だけでなく、将来株式を売却した際にどう課税されるかまで見通しておく必要があります。
優遇措置Aと優遇措置Bの本質は「課税の繰り延べ」です。投資した年に税金が安くなったとしても、それは税金が消滅したわけではありません。計算上、株式の取得価額を引き下げる処理が行われるため、将来その株式を売却して利益が出た際には、投資時に控除された分も含めて利益が計算され、課税されます。つまり、投資時の減税分は、将来の売却時まで納税を先送りしている状態と言えます。
一方で、プレシード・シード特例や起業特例は「非課税」の措置です。これらは一定額(20億円まで)について、株式取得価額の調整を行わない、あるいは非課税として扱う仕組みのため、将来売却益が出たとしても、その対象部分については課税されません。これは単なる先送りではなく、恒久的な減税効果を意味します。
このように、「今は税金を払わなくてよい」という点は共通していても、その中身が「後払い(繰り延べ)」なのか「免除(非課税)」なのかによって、トータルの収支は大きく異なります。各措置の性質を正しく理解して選択することが大切です。
エンジェル税制を利用するための要件
エンジェル税制を利用するためには、投資家と投資対象企業がそれぞれ要件をクリアする必要があります。
エンジェル税制を利用するための投資家の要件
エンジェル税制を利用するにあたって、投資家が満たすべき要件は以下のとおりです。
- 金銭の払込みにより、対象企業が新規に発行した株式を取得していること(現金出資により株式を取得した場合、新規に発行した株式を取得した場合)
- 対象企業が同族会社の場合は、同族会社判定の基礎となる株主ないし株主グループに属さないこと(対象企業が同族会社ではない)
エンジェル税制の適用を受ける際には、払込みをした日時点で上記の要件を満たす必要があります。金銭の払い込みで株式を取得する必要があるため、他人から譲受した株式に関してはエンジェル税制の対象外です。
投資対象企業の要件
投資対象となるスタートアップ企業は、以下の要件を満たす必要があります。
投資対象となるスタートアップ企業の要件
- 特定の株主ないし特定の株主グループの保有する株式数の割合(持株割合)が5/6を超えないこと
- 大規模法人ないし大規模法人グループの所有に属さないこと
- 特定の株主ないし特定の株主グループの保有する株式数の割合(持株割合)が5/6を超えないこと
- 大規模法人ないし大規模法人グループの所有に属さないこと
- 中小企業であること
- 未登録・未上場の株式会社であること
- 風俗営業等に該当する事業を行う会社でないこと
- 企業の設立経過年数に応じた要件を満たすこと
スタートアップ企業によっては、経済産業省の「事前確認制度」を利用して自社がエンジェル税制の対象か確認を受けています。事前確認制度を経てエンジェル税制適用企業であることを確認できた企業は経済産業省のホームページで公表されているため、確認してみるとよいでしょう。
投資家・起業家がエンジェル税制を利用するメリット
投資家・起業家がエンジェル税制を利用することで、さまざまな経済的メリットを受けられます。
以下で、具体的なメリットを解説します。
節税しながら将来有望なスタートアップ企業に投資できる
エンジェル税制を活用すれば、節税しながら将来有望なスタートアップ企業に投資できます。投資した金額が、その年の総所得金額か株式譲渡益から控除されるため、投資をしながら税負担を軽くすることが可能です。
高収入で課税所得が高い方や株式売買で多額の譲渡益を得た方は、税負担が重くなります。エンジェル税制を利用すればその年の所得または譲渡益を圧縮できるため、高所得者・株式トレーダーの方は活用を検討するとよいでしょう。
売却損が出てもほかの株式譲渡益と相殺できる
スタートアップ企業への投資は高い成長率が期待できる一方で、企業が破綻して事業が継続できなくなってしまうリスクがあります。投資した企業が破綻すると、投資したお金は戻ってこないため損失が発生します。
エンジェル税制を通じてスタートアップ企業へ投資しても、IPOやM&Aに至らないばかりか、損失が発生するリスクも考えられるでしょう。しかし、エンジェル税制を活用すれば、投資先企業が破綻しても、発生した損失を他の株式譲渡益と相殺できます。
同じ年の中で相殺しきれない損失がある場合は、損失を最大3年間繰り越せます。上場株式のような損益通算と繰越控除の仕組みがあるため、リスクを抑えて投資できる点はエンジェル投資のメリットです。
連続起業するときに税負担を軽減できる
起業特例を活用すれば、連続起業するときに税負担を軽減できます。起業特例とは、会社設立の際の出資額を設立した年の株式譲渡益から最大20億円控除し、非課税とする措置です。
経営している会社をイグジットして株式を売却すると、多額の売却益を得られる可能性がある一方で、多くの納税額が発生しかねません。売却した同年に法人を設立して起業特例を利用すれば、得られた売却益から出資額を控除できるため、税負担を軽減しながら連続起業できます。
売却益が20億円以内の場合は、理論上は税負担をゼロにすることが可能です。会社のイグジットと連続企業を検討している方にとって、大きなメリットがある枠組みといえるでしょう。
投資家がエンジェル税制を利用するデメリット
エンジェル税制を利用するメリットがある一方で、いくつか知っておくべきデメリットもあります。
以下で、投資家がエンジェル税制を利用するデメリットを解説します。
優遇措置A・優遇措置Bは課税の繰り延べなので非課税にはならない
優遇措置A・優遇措置Bで受けられるのは「課税の繰り延べ」です。つまり、税金を支払うタイミングを後回しにするだけであり、厳密にいえば節税ではありません。
例えば、優遇措置Bを利用した場合、以下のような流れで取得価額の調整が行われます。
【エンジェル投資をしたとき】
- 投資をした年の株式譲渡益:3,000万円
- エンジェル税制対象企業への投資額:1,000万円
- 株式譲渡益から控除できる金額:1,000万円
- 納税額:(3,000万円-1,000万円)×税率
【将来的に株式を5,000万円で売却したとき】
- 株式譲渡益=株式の売却益-株式の取得価額で計算するが、株式の取得価額は「株式への投資額-株式譲渡益から控除された金額」となる
- 株式譲渡益は「5,000万円-(1,000万円-1,000万円)=5,000万円」となる(投資をしたときに控除された金額を持ち戻して税額を計算する)
つまり上記のケースでは、投資をした年に課税されるはずだった1,000万円が売却時に持ち越されたことになります。優遇措置Aと優遇措置Bの場合は、あくまでも税金を納めるタイミングが後になるだけ、という点を押さえておきましょう。
利益が出なかった場合は、結果的に将来発生する損失の一部を先立って計上する形になります。譲渡損失が発生した場合、投資した年に受けた控除対象金額のうち、課税繰延分を取得価額から差し引いて売却損失を計算するためです。
例えば、800万円をエンジェル投資に充てたあとに損失が発生し、500万円に目減りしてしまったケースで考えてみましょう。この場合、最終的には500万円分に課税されますが、課税繰延分が取得価額から差し引かれるため、その分売却時の損失が減少しています。
結果的に、エンジェル投資を行ったときに損金計上した場合と同様の効果しか得られず、実質的な節税額はわずかとなる点に注意しましょう。
一方で、プレシード・シード特例と起業特例では、課税の繰り延べではなく非課税になるため純粋な節税メリットを受けられます。節税メリットを最大限受けたい場合は、プレシード・シード特例か起業特例の活用を検討しましょう。
手続きや用意するべき書類が多く煩雑
エンジェル税制で課税の繰り延べや節税のメリットを受けるためには、確定申告が必要です。
例えば、確定申告時には以下の書類を提出しなければなりません。
- 都道府県知事の確認書又は認定投資事業有限責任組合が発行した確認書及び認定証の写し、若しくは認定少額電子募集取扱業者が発行した確認書及び認定証の写し
- 発行会社が交付する一定の株主に該当しない旨の確認書
- 株式投資契約書の写し
- 株式異動状況明細書
- 株式の譲渡等に関する書類
- 清算結了の登記事項証明書、破産手続開始の決定の公告等
- 株式等に係る譲渡所得税等の金額計算明細書(特定権利行使株式及び特定投資株式分がある場合)
- 特定(新規)中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除の明細書
- 所得所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(特定投資株式に係る譲渡損失の計算及び繰越控除用)
- 特定新規中小会社が発行した株式の取得に要した金額の寄附金控除額の計算明細書
選択する措置によって必要書類は異なります。エンジェル投資を受ける際には、煩雑な確定申告を行う必要がある点に留意しましょう。
エンジェル税制が向いている人・向かない人
エンジェル税制はすべての方にメリットがあるわけではなく、個人の所得状況や資産背景によって恩恵の大きさが変わります。制度を最大限に活用できるのは、主に高額な納税をしている方や、株式投資で大きな利益が出ている方です。一方で、所得状況や資金の流動性によっては不向きなケースもあります。ご自身がどちらに当てはまるか、以下の基準を参考に検討してください。
向いている人の特徴
エンジェル税制のメリットを享受しやすいのは、高い税率が適用されている高所得者や、株式売買等で一時的に大きな利益を得た投資家です。また、連続起業家や少額投資から始めたい方にも適した制度設計となっています。具体的な該当ケースは以下のとおりです。
特徴1:高所得で所得税の負担が重い人
給与収入や事業所得が多く、高い所得税率が適用されている方は、優遇措置Aによるメリットが最も大きくなります。対象企業への投資額から2000円を引いた額を総所得金額から控除できるため、課税所得を圧縮し、税負担を大幅に軽減できます。控除上限は総所得金額の40パーセントまたは800万円のいずれか低い方となります。
特徴2:その年に株式譲渡益やストックオプション益がある人
上場株式の売却益やストックオプション行使による利益が多額に出た年は、優遇措置Bまたはプレシード・シード特例の活用が効果的です。投資額をその年の株式譲渡益から控除することで、本来支払うべき約20パーセントの譲渡益税を節税できます。利益が大きいほど、手元に残せる資金を増やすことができます。
特徴3:過去の売却益を元手に再起業するシリアルアントレプレナー
以前の事業を売却して得た利益を元手に、新たな会社を設立しようとしている連続起業家には起業特例が適しています。設立時の出資額を過去の株式譲渡益と相殺することで、再挑戦にかかる税コストを最小限に抑え、手元の事業資金を厚く確保することが可能です。
特徴4:少額からスタートアップ支援を始めたい人
数千万円単位の投資でなくとも、認定クラウドファンディング等を利用すれば数万円から数十万円程度での投資が可能です。投資額に応じた寄附金控除のような形で所得税の軽減を受けられるため、余裕資金の範囲内でベンチャー支援と節税を両立したい方に適しています。
向かない人・注意が必要な人
税負担がもともと少ない方や、資金の拘束を避けたい方には、エンジェル税制は不向きな場合があります。また、事務手続きの手間や元本毀損リスクを許容できない場合も、慎重な判断が求められます。注意すべきケースは以下のとおりです。
特徴1:課税所得が低く所得控除の恩恵が薄い人
優遇措置Aは所得控除の仕組みを利用するため、もともとの課税所得が低い、あるいは住宅ローン控除などで納税額がゼロに近い場合は、節税効果がほとんどありません。投資額に対して戻ってくる税金が少なければ、リスクをとって投資する経済的合理性が低くなります。
特徴2:その年に株式譲渡益が発生していない人
優遇措置Bやプレシード・シード特例は、他の株式譲渡益と相殺することで効果を発揮します。その年に株式の売却益がない場合、控除対象が存在しないため、当年の減税効果は得られません。この場合、単に取得価額の調整(課税の繰り延べ)にとどまる点に注意が必要です。
特徴3:直近で資金を使う予定があり流動性を確保したい人
未上場株式は上場株式のように市場ですぐに売却することができません。一度投資すると、IPOやM&Aなどの出口を迎えるまで、長期間にわたり資金が拘束されます。生活防衛資金や、近いうちに住宅購入や教育費などで使う予定のある資金を充てるのは避けるべきです。
特徴4:確定申告などの事務手続きを負担に感じる人
エンジェル税制の適用を受けるには、投資先企業から確認書を入手し、確定申告書に明細を添付して申告する必要があります。年末調整だけでは完結せず、書類の管理や作成に一定の手間がかかります。こうした事務作業を面倒に感じる方にはハードルが高い制度といえます。
エンジェル投資をする方法と活用の流れ
実際にエンジェル投資をする方法は、企業への直接投資だけでなく株式投資型クラウドファンディングを利用する方法もあります。
以下で、具体的な投資方法を解説します。
企業への直接投資
企業への直接投資とは、投資家が直接エンジェル税制対象企業の株式を取得する方法です。企業に対して直接株式を購入する申し込みを行い、払込取扱金融機関に払い込みをします。

投資した企業が都道府県に対して確認申請を行い、その後に都道府県から企業を経由して投資家に対して確認書が交付されます。
確認書は確定申告で必要となるため、大切に保管しましょう。
認定投資事業有限責任組合(LPS)経由
経済産業大臣の認定を受けた「認定投資事業有限責任組合(LPS)」を経由して、エンジェル税制対象企業の株式を取得する方法があります。

LPSに出資金の払い込みを行い、LPSと投資先企業のやり取りを経たあとに個人投資家へ確認書が交付されます。なお、認定を受けたLPSは中小企業庁のホームページで確認可能です。
認定少額電子募集取扱業者(ECF)・株式投資型クラウドファンディング経由
経済産業大臣の認定を受けた「認定少額電子募集取扱業者(ECF)」を経由して、エンジェル税制対象企業の株式を取得する方法があります。2020年からは、株式投資型クラウドファンディング事業者がECFに加わりました。

ECFに出資金の払い込みを行い、ECFと投資先企業のやり取りを経たあとに個人投資家へ確認書が交付されます。
エンジェル税制活用の流れ
どの方法でエンジェル投資を行う場合でも、投資家がエンジェル税制を活用する際の流れは以下のとおりです。
- 投資家が投資する
- 企業(LPS・ECF)から確認書が交付される
- 投資家は確定申告する
確定申告で必要となる書類は、経済産業省の資料で確認できます。必要書類は投資方法によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
エンジェル税制を受けるための確定申告のポイント
エンジェル税制を活用して節税メリットを受けるには、確定申告が必須です。手続きが複雑に感じるかもしれませんが、事前に準備をしっかり行えばスムーズに進められます。以下に、確定申告で注意すべきポイントをわかりやすくまとめました。
1. 必要な書類を準備する
エンジェル税制の適用を受けるには、確定申告時に以下の書類を提出する必要があります。これらはすべて重要な書類ですので、事前に確認して揃えておきましょう。
確定申告時に必要な書類
- 都道府県知事の確認書又は認定投資事業有限責任組合が発行した確認書及び認定証の写し、若しくは認定少額電子募集取扱業者が発行した確認書及び認定証の写し
- 発行会社が交付する一定の株主に該当しない旨の確認書
- 株式投資契約書の写し
- 株式異動状況明細書
- 株式の譲渡等に関する書類
- 清算結了の登記事項証明書、破産手続開始の決定の公告等
- 株式等に係る譲渡所得税等の金額計算明細書(特定権利行使株式及び特定投資株式分がある場合)
- 特定(新規)中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除の明細書
- 所得所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(特定投資株式に係る譲渡損失の計算及び繰越控除用)
- 特定新規中小会社が発行した株式の取得に要した金額の寄附金控除額の計算明細書
2. 必要書類を確実に揃えるコツ
書類の不備や不足があると、税制の適用を受けられない場合があります。以下のポイントを押さえて準備を進めましょう。
(1) 確認書類を早めに入手する
投資先企業がエンジェル税制対象であることを証明する「確認書」は、企業から提供されます。手続きに時間がかかる場合があるため、早めに確認してください。
(2) 契約書や領収書の保管
投資時に受け取る契約書や領収書は必ず保管しましょう。不足があれば、投資先企業に再発行を依頼してください。
コピーを取っておくと、紛失時にも対応できます。
(3) チェックリストを作成する
書類を揃える際は、リストを作成して進捗を確認すると漏れを防げます。
(4) 専門家や関係者に相談
書類や手続きに不安がある場合は、投資先企業や税理士に相談してください。投資先企業は確認書の発行や手続きに詳しいため、有益な情報を提供してくれます。
3. 提出時の注意点
確定申告書の作成や提出時には、以下の点に注意しましょう。
エンジェル税制の適用を明記する
確定申告書内で、エンジェル税制適用の旨を記載してください。
提出期限を厳守する
確定申告の期限(通常、翌年の3月15日)を守りましょう。期限を過ぎると税制適用が認められない場合があります。
書類を再確認する
提出書類に漏れや誤りがないか、最後に丁寧に確認してください。不備があると税務署から連絡が来る場合があります。
4. 関係者のサポートを受ける
エンジェル税制を正しく活用するためには、関係者のサポートを受けながら手続きや準備を進めることが大切です。以下のサポートを活用することで、申告時の不安を解消できます。
税理士に相談する
確定申告の代行やアドバイスを受けることができます。特に初めての申告や複雑なケースに対応する場合は、税理士への依頼を検討してください。
投資先企業に問い合わせる
必要な確認書の発行や手続きについてサポートしてくれます。不明点がある場合は、直接投資先企業に確認するのが効果的です。
経済産業省の情報を参考にする
必要書類や手続きの詳細については、経済産業省の公式ウェブサイトで確認できます。最新情報を参考にして、確実に準備を進めましょう。
この記事のまとめ
エンジェル税制は、投資額を控除できる一方で、非課税と課税の繰り延べが混在し、選択を誤ると将来の売却時に税負担が戻る点まで含めて理解する必要があります。次の一歩として、今年の所得水準と株式譲渡益の有無を確認し、狙う優遇措置を絞ったうえで、投資先が対象要件を満たすかと確認書など必要書類の入手時期を押さえましょう。不安が残る場合は、税理士等へ早めに相談すると手続きミスを防げます。

金融系ライター
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,000記事以上の執筆実績あり。
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エンジェル税制とは、個人投資家が投資時・株式売却時に受けることができる税制上の優遇措置を定めた税制。ベンチャー企業に対する投資の促進を図る観点から国税庁によって定められている。ベンチャー企業に投資した年、未上場ベンチャー企業株式を売却して売却損益が発生した年にそれぞれ優遇措置を受けることができる。
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投資事業有限責任組合(LPS:Limited PartnerShip)は、主に非上場スタートアップ企業への投資活動を行うためにベンチャーキャピタルを中心に金融機関等が組成する、法人格を持たない「投資事業組合」の1種です。 認定投資事業有限責任組合(認定LPS)は、LPSのうち、エンジェル税制の実施に当たり、経済産業省の認定を受けたものを指します。 認定LPS経由でエンジェル投資を行うと、エンジェル税制の対象となり税制優遇措置が受けることが可能です。
IPO(Initial Public Offering/新規公開株式)
IPO(Initial Public Offering/新規公開株式)とは、未上場企業が証券取引所に株式を上場し、一般の投資家に向けて売り出すことを指します。これにより、それまでオーナーやベンチャーキャピタル(VC)など限られた株主のみが保有していた株式が、市場を通じて誰でも売買できるようになります。 企業にとってIPOは、成長資金を調達するだけでなく、知名度や信用力を向上させる手段の一つです。また、創業者やVCが投資を回収(エグジット)する機会にもなり、優秀な人材を確保するためのストックオプション制度の活用が可能になるといったメリットもあります。一方で、上場後は業績や経営方針が市場の厳しい評価を受けるため、ガバナンスの強化や継続的な成長が求められます。 IPOのプロセスは、主幹事証券の選定、証券取引所の審査、目論見書の作成、投資家向けのロードショー、仮条件の設定、公募・売出価格の決定などを経て進められます。公募価格は需要と供給をもとに決定され、上場初日に初値が形成されます。 投資家にとってIPOは、成長企業への投資機会となる一方、初値が公募価格を大きく上回ることもあれば、期待ほど上昇しない場合もあるため、市場の動向をよく見極める必要があります。また、ロックアップ期間(上場後一定期間、大株主が株を売れない規制)が解除された後に売却が増えることで、株価が下落するリスクもあるため注意が必要です。
申告分離課税
申告分離課税とは、特定の所得について他の所得と分離して税額を計算し、確定申告を通じて納税する方式です。 主な対象となる所得は以下の通りです: - 譲渡所得: 土地や建物、株式などの譲渡による所得。 - 山林所得: 山林の伐採や譲渡による所得。 - 先物取引による所得: FXや商品先物取引による所得。 例えば、株式の譲渡所得については、他の所得と合算せずに分離して課税されます。また、上場株式等の配当所得についても、申告分離課税を選択することができます。
EXIT
EXITとは、投資家が保有する資産や事業から利益を確定し、資金を回収することを指します。ベンチャーキャピタルや投資ファンドにおいては、IPO(新規株式公開)やM&A(企業買収・合併)によって出資した企業から資金を回収することが一般的です。EXITのタイミングや手法によって、投資のリターンが大きく変わるため、戦略的な判断が求められます。
ベンチャーキャピタル(VC)
ベンチャーキャピタル(VC)とは、高い成長が見込まれるスタートアップ企業に対して、資金を投資する専門の投資会社やファンドのことを指します。通常、未上場の企業を対象とし、株式を取得する形で投資を行い、企業の成長後に株式公開(IPO)やM&Aによって利益を得ることを目的とします。単なる資金提供だけでなく、経営アドバイスやネットワークの提供など、企業価値向上のための支援を行うことも特徴です。投資対象の企業には高いリスクが伴うものの、成功すれば大きなリターンが期待できるため、スタートアップの資金調達手段として広く活用されています。
株式譲渡益
株式譲渡益とは、投資家が株式を売却した際に、取得価格を上回る価格で売れた場合に得られる利益のことを指します。この利益は譲渡所得として扱われ、一般的に税金が課されます。上場株式の譲渡益には約20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)の税率が適用されますが、非上場株式の場合は総合課税または分離課税を選択でき、税率は条件によって異なります。 株式を売却した際に生じた利益や損失は、他の株式や投資信託などの利益と損益通算が可能です。売却損が発生した場合は、確定申告をすることで3年間の繰越控除を受けることができます。また、NISAやiDeCoなどの非課税制度を活用することで、一定の条件下で譲渡益に対する課税を免れることができるため、税制を考慮した投資戦略が重要となります。 株式の取得価格は、一般的に平均取得単価方式で計算されますが、相続や贈与を受けた場合にはみなし取得価格が適用されることがあります。また、取引口座には特定口座と一般口座があり、特定口座のうち源泉徴収ありを選択すると確定申告が不要になりますが、源泉徴収なしや一般口座を利用する場合は確定申告が必要となります。 売却のタイミングによっても税負担が変わるため、慎重に判断することが大切です。短期的な売買では頻繁に譲渡益が発生し、その都度税金がかかる可能性があるため、長期投資を行うことで税負担を抑える戦略が有効です。また、年末と年初では税金の計算年度が異なるため、売却時期を調整することで税負担を軽減できる場合があります。株式投資では、利益を追求するだけでなく、税制を理解しながら適切な売却戦略を立てることが、資産を効率的に運用する上で重要になります。
起業特例
起業特例とは、新規に事業を立ち上げる個人や法人を支援するために設けられた税制優遇措置や補助金制度のことを指します。具体的には、法人税や所得税の軽減、資金調達の際の優遇措置、雇用に関する助成金などが含まれます。これにより、起業時の資金負担を軽減し、成長を促進することが目的とされています。国や自治体によって制度の内容が異なるため、適用条件を確認しながら活用することが重要です。
非課税措置
非課税措置とは、特定の条件を満たす場合に税金の支払いが免除される制度のことを指します。資産運用においては、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)などが代表的な例で、一定額までの運用益が非課税となります。また、相続税や贈与税の軽減措置としても適用されることがあり、資産形成や世代間の資産移転において有効な手段となります。適用要件や上限額を理解し、適切に活用することが資産管理の鍵となります。
プレシード・シード特例
プレシード・シード特例とは、スタートアップ企業の創業初期段階(プレシード・シード期)に適用される税制優遇措置のことを指します。これにより、起業家や投資家が初期の資金調達をしやすくなり、新規事業の立ち上げを支援する狙いがあります。具体的には、エンジェル投資家による投資への所得控除や、法人設立時の税負担の軽減などが含まれます。創業初期は資金繰りが厳しくなるため、こうした特例を活用することで財務基盤を強化し、持続的な成長へとつなげることができます。
未上場企業(非上場企業)
未上場企業とは、証券取引所に株式を公開していない企業のことを指します。一般的に、未上場企業の株式は流動性が低く、取引の機会が限られるため、評価が難しい場合があります。一方で、上場企業と比べて経営の自由度が高く、成長フェーズにあるスタートアップや家族経営の企業が多く含まれます。 近年では、未上場株式を取引できるプラットフォームの発展により、一部の流動性が向上しています。未上場企業への投資は、リスクが高いものの、成功すれば大きなリターンを得る可能性があるため、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家、さらにはプライベート・エクイティ(PE)ファンドやファミリーオフィスなどの関心を集めています。投資家にとっては、IPO(新規株式公開)やM&A(企業買収)などのエグジット戦略が重要となります。
中小企業基本法
中小企業基本法とは、日本の中小企業の振興と発展を目的として制定された法律です。企業規模や業種に応じて中小企業の定義を定め、それに基づき税制優遇や金融支援、経営支援策が講じられています。この法律のもとで、中小企業は資金調達の機会を増やし、経営の安定化を図ることができます。また、政府や自治体による各種補助金や助成金の対象となることも多いため、企業成長の戦略として有効に活用することが重要です。
外部資本比率
外部資本比率とは、企業の資本構成において、自己資本に対する外部からの資本(株式出資や借入金)の割合を示す指標です。この比率は、一般的に 「外部出資(Equity)」と「負債(Debt)」を合計したものが自己資本に対してどれだけの比率を占めるか を示します。 特にスタートアップやベンチャー企業では、エンジェル投資家やベンチャーキャピタル(VC)からのエクイティ(株式)による資金調達が多くなるため、外部資本比率が高くなりがちです。エクイティ出資が増えると、創業者の持ち株比率が下がり、経営権が分散する(持ち株の希薄化(Dilution))。一方で、借入金(Debt)による資金調達が増えると、財務負担が増加し、返済義務が経営に影響を与えることがあります。 この比率が高いと、外部資本を活用して資金調達の柔軟性が向上するメリットがある一方で、自己資本が少なくなりすぎると財務の安定性が低下し、債務リスクが増す可能性があります。そのため、適切なバランスを維持することが重要です。
損失繰越控除
損失繰越控除とは、ある年度に発生した損失を翌年以降の所得から差し引くことで、税負担を軽減する制度のことを指します。法人税や所得税の計算に適用され、例えば事業年度内に赤字となった企業は、翌年度以降の黒字所得と相殺することで税負担を抑えることができます。特にスタートアップや新規事業においては、初期投資がかさみ赤字となることが多いため、この制度を活用することで資金繰りを安定させることが可能です。適用には一定の要件があるため、事前に確認しておくことが重要です。
コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)
コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)とは、事業会社が自社の成長戦略の一環として設立・運営する投資ファンドのことを指します。通常のベンチャーキャピタル(VC)と異なり、単なる投資収益の獲得だけでなく、新技術の獲得、提携先の確保、自社事業とのシナジー創出などを目的とする点が特徴です。大企業がスタートアップに出資することで、オープンイノベーションを推進し、新規事業の開発や競争力の強化につなげるケースが増えています。CVCの投資先企業にとっては、大企業の持つリソースや市場へのアクセスを活用できるメリットがあります。
資本金
資本金とは、会社が事業を始めるために集めたお金のことです。通常、会社設立時に株主が出資し、法人登記の際に登録されます。資本金が多いほど会社の信用力が高まり、税制面での優遇を受けられることもあります。 例えば、資本金が1,000万円未満なら、設立から一定期間は消費税の納税が免除されることがあります。1億円以下なら、中小企業向けの税制優遇(軽減税率や交際費の全額損金算入など)が適用されます。1億円を超えると、これらの優遇が受けられなくなり、税負担が増える可能性があります。 特にベンチャー企業では、投資家からの出資で資本金を増やし、成長のための戦略を立てることが重要です。



