ポートフォリオ内でのコモディティ比率の目安を教えてください
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2025/04/10 11:24
男性
40代
現在のポートフォリオにおけるコモディティの比率について、一般的なガイドラインがあればご教示いただけますか。分散効果を期待しつつ、過剰なリスクを取らないバランスを取りたいと考えています。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
一般的な分散投資の観点からは、コモディティの組入比率はポートフォリオ全体の5〜15%程度に留めるのが望ましいとされています。この範囲であれば、株式や債券といった伝統的資産と相関性が低いコモディティの特性を活かし、リスク分散とインフレ耐性を高める効果が期待できます。
特に、金(ゴールド)は価値保存資産としての役割を果たしやすく、またエネルギーや農産物などの商品ETFは、供給不安や地政学的リスクが高まる局面で価格上昇が見込まれることがあります。
ただし、コモディティは価格変動が激しく、金利や為替の影響も大きいため、ポートフォリオ全体に占める比率は慎重に設定する必要があります。たとえば、保守的な投資家であれば5%未満に抑える一方、インフレヘッジを強く意識する場合は10%以上を検討してもよいでしょう。
最適な比率は、投資目的・リスク許容度・運用期間・他資産との組合せによって異なるため、定期的にアセットアロケーションを見直すことが重要です。
より精緻なポートフォリオ設計を行うためには、金融の専門家に相談の上、ご自身の資産状況や目標に即した最適なアロケーションを検討されることをおすすめします。
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コモディティ
コモディティとは、世界中で取引される原材料や商品を指します。代表的なものとして、金・銀などの貴金属、原油・天然ガスなどのエネルギー資源、小麦・トウモロコシなどの農産物があります。投資対象としてのコモディティは、インフレ時のリスクヘッジや分散投資の手段として利用されることが多いです。市場の需給バランスや国際情勢によって価格が大きく変動するため、リスク管理が重要になります。
ポートフォリオ
ポートフォリオとは、資産運用における投資対象の組み合わせを指します。分散投資を目的として、株式、債券、不動産、オルタナティブ資産などの異なる資産クラスを適切な比率で構成します。投資家のリスク許容度や目標に応じてポートフォリオを設計し、リスクとリターンのバランスを最適化します。また、運用期間中に市場状況が変化した場合には、リバランスを通じて当初の配分比率を維持します。ポートフォリオ管理は、リスク管理の重要な手法です。
分散投資
分散投資とは、資産を安全に増やすための代表的な方法で、株式や債券、不動産、コモディティ(原油や金など)、さらには地域や業種など、複数の異なる投資先に資金を分けて投資する戦略です。 例えば、特定の国の株式市場が大きく下落した場合でも、債券や他の地域の資産が値上がりする可能性があれば、全体としての損失を軽減できます。このように、資金を一カ所に集中させるよりも値動きの影響が分散されるため、長期的にはより安定したリターンが期待できます。 ただし、あらゆるリスクが消えるわけではなく、世界全体の経済状況が悪化すれば同時に下落するケースもあるため、投資を行う際は目標や投資期間、リスク許容度を考慮したうえで、計画的に実行することが大切です。
地政学リスク
地政学リスクとは、国家間の対立、戦争、政情不安、貿易摩擦など、政治的な要因によって金融市場や経済に影響を与えるリスクのことを指します。たとえば、中東の紛争や米中関係の悪化、ロシアによるウクライナ侵攻などが該当します。こうしたリスクが高まると、株式市場が不安定になり、安全資産とされる金(ゴールド)や国債に資金が流れる傾向があります。原油価格や為替相場にも影響を及ぼすことがあり、資産運用を行う際には、こうした地政学的な動きにも注意を払うことが重要です。
インフレーション
インフレーションとは、物価全体が持続的に上昇し、その結果、通貨の購買力が低下する現象です。経済活動が活発になり、需要が供給を上回ると価格が上昇しやすくなります。また、生産に必要な原材料費や人件費の上昇が企業のコストに転嫁されることで、さらに物価が上昇することがあります。適度なインフレーションは経済成長の一側面とされる一方、過度な物価上昇は家計の負担を増大させ、経済全体の安定性を損なうリスクがあるため、中央銀行は金利操作などの金融政策を通じてインフレーションの抑制に努めています。
アセットアロケーション(資産配分)
アセットアロケーション(Asset allocation)とは、資産配分という意味で、資金を複数のアセットクラス(資産グループ)に投資することで、投資リスクを分散しながらリターンを獲得するための資産運用方法。アセットアロケーションは戦略的アセットアロケーションと戦術的アセットアロケーションの2つを組み合わせることで行われ、前者は中長期的に投資目的・リスク許容度・投資機関に基づいて資産配分を決定し、後者は短期的に投資対象の資産特性に基づいて資産配分を決定する。