JOLCO投資はどのような法人に適していますか?
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2025/07/03 10:53
男性
40代
経営している会社で突発的に多額の利益が発生し、税金負担が大きくなることを懸念しています。知人から「JOLCO投資が節税に効果的だ」と勧められましたが、どのような法人がこの投資方法に向いているのでしょうか?
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
JOLCO投資は、主に以下の特徴を持つ法人に適しています。
第一に、特定年度に不動産売却益や事業譲渡などで一時的に多額の利益が生じ、課税負担の平準化を図りたい企業です。JOLCOを活用すれば、投資初年度に出資額の70~80%を損金計上し、納税時期を将来に繰り延べることが可能です。
第二に、中長期的に大口の支出を予定している企業にも適しています。具体的には、設備投資や役員の退職金支払い、事業承継など将来的に計画された資金需要に対し、繰り延べた納税資金を充てることで資金効率を向上できます。
第三に、安定性を重視してリスクを抑えた資産運用を望む法人にも向いています。JOLCOにはリース契約終了時に資産を借り手が事前合意価格で買い取るコールオプションが付与されており、元本回収の安定性が高いためです。
ただし、最低投資額が数千万円単位と高額であるため、一定以上の資金力を持つ法人が対象になります。
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元本とは、投資や預金を始めるときに最初に出すお金、つまり「もともとのお金」のことを指します。たとえば、投資信託に10万円を入れた場合、その10万円が元本になります。 運用によって利益が出れば、元本に運用益が加わって資産は増えますが、損失が出れば元本を下回る「元本割れ」の状態になることもあります。 元本が保証されている商品(例:定期預金、個人向け国債など)もありますが、多くの投資商品では元本保証がないため、どれくらいのリスクを取るかを理解しておくことが大切です。
コールオプション
コールオプションとは、「ある資産を、将来のあらかじめ決められた価格(行使価格)で購入することができる権利」のことを指します。これは金融派生商品(デリバティブ)の一種で、主に株式や指数などを対象に取引されます。 この権利は「オプション(選択権)」であり、権利を買った側(買い手)は、将来のある時点でその権利を行使するかどうかを自由に決めることができます。一方で、売り手は買い手が行使を望んだ場合、必ず応じなければなりません。なお、権利を買うためには「プレミアム」と呼ばれるオプション料を支払う必要があります。 たとえば、ある株式が現在100円で取引されているとします。このとき、1か月後にその株を100円で買えるコールオプションを10円のプレミアムで購入したとしましょう。1か月後、もしその株価が150円に上がっていれば、コールオプションを行使することで100円で買い、すぐに市場で150円で売ることで、差額の50円が利益となります。ここからプレミアムの10円を差し引けば、最終的な利益は40円となります。 一方で、もし1か月後に株価が90円に下がっていた場合、その株をわざわざ100円で買う意味はないため、コールオプションは行使されず、買い手は10円のプレミアムを失うだけで済みます。このように、コールオプションの最大損失はプレミアムに限定される一方で、株価が大きく上昇すれば利益は大きくなり得るため、リスク限定・リターン無限大の投資手法とされます。 資産運用の観点から見ると、コールオプションは次のような活用法があります。 まず、「値上がりが見込まれる銘柄に対し、小額で投資したい」場合に有効です。実際に株を購入せず、オプションの形でその値上がり分を狙うことができます。また、すでに株を保有している場合、その株に対してコールオプションを売ることで、追加の収益を得る「カバードコール戦略」などもあります。 ただし、オプションは満期(期限)がある商品であり、時間の経過とともに価値が減少する「タイムディケイ」という特性も持っています。また、価格は原資産の価格だけでなく、市場の変動性(ボラティリティ)、金利、残存期間など様々な要因によって決まるため、仕組みを理解せずに取引を行うと、思わぬ損失を被る可能性もあります。 したがって、コールオプションを活用する際は、まずはその基本的な仕組みやリスク特性をしっかりと理解したうえで、少額から始める、シミュレーションで練習するなど、段階的なアプローチが重要です。 コールオプションは、資産運用の幅を広げる有効な手段の一つです。株式や投資信託などの伝統的な商品に加え、このようなオプション取引を適切に活用することで、より柔軟で戦略的なポートフォリオ構築が可能になります。