不動産STOは個人でも始めやすい投資方法ですか?
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2025/02/01 11:22
男性
30代
不動産STOは少額から投資できると聞きますが、個人投資家にはどんなメリットがあるのでしょうか?また、REITやこれまでの不動産投資と比べたとき、注意すべきポイントがあれば教えてください。
回答
株式会社MONOINVESTMENT / 投資のコンシェルジュ編集長
不動産STO(Security Token Offering)は、ブロックチェーン上で発行されるデジタル証券を通じて物件の持分を取得する仕組みです。数万円程度から参加でき、オンライン完結で手数料も抑えられるため、個人投資家にとって参入障壁が大幅に低い点が最大の魅力です。スマートコントラクトにより賃料純収益と売却益がリアルタイムで按分・送金され、取引履歴や権利関係が改ざんされにくいことから、透明性も高まります。さらに、金融商品取引法上の有価証券として発行審査を受けるため、情報開示や分別管理など投資家保護の枠組みが明確です。
ただし、STOは基本的に単一物件への集中投資となるため、立地・テナント戦略が期待どおりに進まなければ価格変動リスクはREITより大きくなります。市場自体が黎明期で流動性が薄く、二次流通で買い手が付かなければトークンを現金化するまで時間がかかる点も留意すべきです。加えて、スマートコントラクトのバグや運用会社の管理体制に起因する技術・ガバナンスリスク、破綻時の資産保全スキームの実効性も十分確認する必要があります。
一方、REITは複数物件への分散投資と取引所でのリアルタイム売買が強みですが、配当は賃料収益が中心でキャピタルゲインは限定的です。高い売却益を狙える点ではSTO、安定配当と流動性ではREITと、性質が大きく異なります。そのためポートフォリオ全体で流動性・収益構造・リスク分散をバランスさせることが重要です。投資を検討する際は、①物件の収益モデルと売却計画、②運用会社と発行体の実績、③二次流通市場の整備状況、④破綻時の資産保全手続き、⑤税務・会計上の取扱い――を事前に精査し、出口戦略まで含めたシミュレーションを行ったうえで判断しましょう。
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システムリスクとは、取引プラットフォームの障害やサイバー攻撃など、技術的なトラブルによる損失のリスクです。特にSTOや仮想通貨取引のようにデジタル技術に依存する金融商品では、システムリスクが重要な課題となります。信頼性の高い事業者を選ぶことや、自分自身でセキュリティ対策を徹底することが必要です。